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大学の受験情報

未来大学を受験する皆さんへの学長からのメッセージ

「未来大学の研究と教育」

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中島 秀之 学長

私はずっと人工知能の研究をして来ました。研究すればするほど、人間の知能というのは素晴らしいものであることがわかって来ます。そのような科学的興味と平行して、情報技術によって人間の生活を支える研究もして来ました。未来大に着任する直前には「サイバーアシスト」という、サイバー空間で人間をアシストする研究を展開していました。ユビキタスコンピューティングを研究する人たちと一緒に様々な技術や応用を開発して来ました。2005年の愛地球博にもその技術が使われ、経済産業省から2006年度グッドデザイン賞(特にエコロジー賞)を頂戴しました。着任以降、未来大でも同様の精神で研究が続けられていたことを知り、嬉しく思っています。

私の研究活動が評価され、今年(2007年)1月にインドで開催された人工知能国際会議で招待講演をして来ました。学会では人工知能の社会応用に関して様々な議論が交わされていましたが、概ね一貫しているのは、海外では研究しているテーマを社会に応用するのは難しいという話題でした。大学と地域の距離が遠いことが窺われます。

しかし、日本では大学と地域の連携した研究・開発の例が多く見られます。函館でも地域との連携は活発です。未来大の教育の売りの一つに、「プロジェクト学習」というのがあります。文部科学省からも、2006年度に「特色のある教育」として認定され、このノウハウを他大学にも広めるための資金援助をいただいています。このプロジェクト学習の場として函館がうまく機能しています。人口30万人という、大きすぎず、小さすぎない街のサイズが最高の学びの場を提供してくれます。2005年度にグッドデザイン賞をもらったプロジェクトもあります。先生方の研究を街に出す場としても最高です。

将来の街の情報環境を考えるためには自分たちが使っている環境でそれを実験する必要があります。自分たちが使いたいものでないと自信を持って世の中には出せません。ユビキタスコンピューティングの研究をしている人たちの多くはそのような情報環境の中で生活・研究を進めています。未来大にもそのような実験環境としてUSN(ユビキタスセンサーネットワーク)を構築しています。この技術は北海道の海にも持ち込まれ、世界初の海洋センサーネットワークの提案へとつながっています。

こういったセンサーネットワークには人間を見守り、支援してくれるという面と同時に、プライバシ侵害の可能性という面もあります。自分の生活がずっと見張られているのは誰でもいやなものです。技術者の倫理観が問われるところですが、それに止まらずプライバシを積極的に守るための技術も同時に開発して行かなければなりません。愛地球博では「位置に基づく通信」という、自分のIDを出さなくても情報を受けられる技術を使いました。暗号技術(これも未来大が誇る分野の一つです)もプライバシ保護のための技術の一つですが、他にも様々な技術開発の可能性があります。個人を特定せずに動きから意図を解析し、支援する手法なども研究する予定です。

人間の知能に迫るという人工知能の科学的な面からは複雑系への興味があります。知能は複雑系ですし、この世界も複雑系です。複雑系というのは一言で言うと情報が多すぎて適切なものだけを抜き出して考えるのが困難なシステムです。一般の物理方程式のように単純化した理解が役にたちにくいのです。未来予測(たとえば天気予報)も困難です。でも、人間はそのような世界の中で何故か適切な情報だけを、しかも場面に応じて異なる情報を使いながら生活しています。人間や生物の知能を解明し、あるいは人間と同じように要領よく振舞えるロボットを作るためにも複雑系の研究が役立ちます。

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