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教員・研究紹介

教員紹介 情報アーキテクチャ学科

伊藤 精英   (准教授)

Kiyohide Ito
■所属学科:
情報アーキテクチャ学科
■専門分野:

認知科学、生態心理学、視覚障害心理学

■担当科目:

知覚システム論、認知心理学、認知心理学演習 ほか


プロフィール

一言で研究を言えば音・匂いなどの周囲に存在している感覚情報と人の行為との関連性を解明すること。
具体的には、視覚以外の感覚からの手がかりを利用して 人がどのような行為が可能になるのかを研究しています。
現在主として取り組んでいるのが視力を失っている人(盲人)の目的地までの移動を安全且つ容易にす るための理想的な環境のあり方を見つけだすことです。

・最終学歴:筑波大学大学院心身障害学研究科
・学位  :博士(教育学)
・前歴  :日本学術振興会 特別研究員(東京大学)
・着任時期:2000年4月1日

仕事の紹介

どんな研究をしているの?
まずは、私がどんなことに興味をもっているのかについて説明してみます。

盲人のナビゲーション(目的地までの移動)の研究
  みなさんは、自宅からこの大学までの道順をすでに覚えていますか?何番目の角を曲がってどのバスに乗って・・・。
また、みなさんの自宅からここまでのルー トの風景を思い出せますか?自宅を見つける目印になっている電柱とか、曲がり角から見える畑とか店とか・・・・。
人は目的地まで移動する時、風景の変化を 手がかりにしながら目的の場所までたどり着くことができます。 実は、人は単に視覚情報だけを目的地への移動に利用しているわけではありません。
様々な感 覚を利用できるのです。私たちの周囲にはたくさんの音、においなどであふれています。これらも気づかれないうちに、重要な手がかりとして利用されていま す。 
このことは目の見えない人(盲人)の目的地までの移動を研究しているとよくわかってきます。盲人は目的地まで移動する際に、様々な音・足下の感覚・ においなどを巧みに利用しているのです。
言い換えると、彼らはこれらの視覚以外の感覚が使えなくなると、移動に非常に不便さを覚えることになります。 そ のため、主として視覚に障害のある人たち(盲人)に研究協力をしてもらい、
私は目的地への移動に使われている環境の認知、特に視覚以外の感覚からの手がか りの利用方法について研究しています。

音の知覚研究
 私が現在興味をそそられている二つ目のテーマは、環境音の知 覚・認知です。盲人の目的地への移動の研究をしていると、彼らにとって周囲の音(環境音)がとても重要なことがわかってきます。
みなさんも目を閉じてしば らく周囲の音に耳を傾けてみて下さい。どんな音が聞こえて来るでしょうか?人の話し声・物を落としたような音・ブザー音・足音・・・。きっとたくさんの音 が聞こえて来ることでしょう。
遠くにある音はエコーがかかっているでしょうし、近くの音はずっと大きい音量に感じるのではないでしょうか。これらの環境音 の特性と心理的印象との対応関係を調べています。また、
音には壁などの大きな物体に跳ね返ってから耳に届く反射音というものがあります。盲人の中には、こ の反射音の知覚技術を身につけている人がいます。私は現在、
かれらが持っている反射音に対する鋭敏さの程度とそのスキルを学習した過程を解明することも 行っています。
具体的には音の「バーチャルリアリティ」によって現実には存在しない「壁面」を音だけで感じさせる装置を作り、それを利用して盲人の様々な 聴覚スキルの分析を行っています。

[研究成果は何にいかせるの?]
 いったいこんな研究をしてどのようなことに役 立つのだろう?という疑問がわいてくる人もいらっしゃるでしょう。私は次のような分野で応用可能ではないかと考えています。
それは「人に優しい」街づくり です。盲人を対象とした研究は彼らにだけ役立つとは考えていません。たしかに、盲人の教育・社会復帰訓練に有用なことがらを見つけだすことができると考え ますが、
しかしそれだけではありません。どんな人でも快適な町、つまりユニバーサルデザインに基づく街づくりへの示唆を提供できると考えています。
障害者 にとって快適な街は、健康な人々(健常者)にとってもここちよい空間であるはずだからです。

[私の専門とする学問領域は]
  私の専門とする学問領域は 私の学問領域は何かと問われると、認知科学の一領域である
、「生態心理学(ecological psychology)あるいは生態物理学(ecological physics)」と答えるようにしています。生態心理学とは、なんでしょうか?
自然保護などのエコロジー運動とは全く異なります。従来、人を含めた動物 の「感じること・知覚すること」と「動くこと・行為すること」とは個別の研究領域として発展してきており、
それらをひとつの枠組みの中で捉えることはほと んどありませんでした。生態心理学では、
人も地球上で生きている動物であり、動物は全て地球上ではたらいている物理法則(例えば重力や慣性力)を受けてい るという大前提にたちます。そして、
「知覚すること」と「行為すること」とを「情報」という鎖によって繋がれたひとつの「システム」と見なします。生態心 理学の研究目標は、その人の知覚―行為の「システム」の 性質を解明することなのです。

最近の著作

  1. TAUの意味論 1994 現代思想 
  2. 音による行為の予期的制御  1996 日本機械学会第1回ロボメカシンポジア 
  3. どのようにして盲人は環境内を移動するのか:ウエイファインディングに対する生態心理学的アプローチ 1998 
  4. 認知科学 「聴覚性運動」を用いた障害物知覚を測定する試み  1998 第24回感覚代行シンポジウム
  5. 「聴覚性運動」を用いた障害物知覚を測定する試み (第2報)1999 第25回感覚代行シンポジウム 
  6. 盲人の障害物知覚とナビゲーション 1999 情報処理学会ヒューマンインタフェース部会
  7. Detection of Occluding Edges by the Use of Echolocation 1999 Studies in Perception and Action Ⅴ

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