教員紹介 情報アーキテクチャ学科
小野 哲雄(2009.09.30退職) (教授)
Tetsuo Ono- ■所属学科:
- 情報アーキテクチャ学科
- ■専門分野:
インタラクティブシステム、ヒューマンエージェント(ロボット)インタラクション、認知情報科学
- ■担当科目:
ヒューマンインタフェース、ユーザ・センタード・デザイン

プロフィール
私の興味の中心は、「工学」としての「インタラクティブシステム」と、「科学」としての「認知情報科学」です。つまり、コンピュータやセンサなどを用い て、
人とインタラクション(やりとり)するシステム(たとえば、ロボットやエージェント、インタフェースなど)を作ることと、そのシステムを用いて人の情 報処理機能(頭や身体のはたらき)を
調べることに興味があります。
・最終学歴:北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科
・学位 :博士(情報科学)
・前歴 :株式会社 エイ・ティ・アール知能映像通信研究所 研究員
・着任時期:2001年11月1日
仕事の紹介
私 がこれまでやってきた研究を簡単に紹介します。私の興味の中心は、「工学」としての「インタラクティブシステム」と、「科学」としての「認知情報科学」で す。つまり、コ
ンピュータやセンサなどを用いて、人とインタラクション(やりとり)するシステム(たとえば、ロボットやエージェント、インタフェースな ど)を作ることと、そのシステムを用いて人の情報処理機能(
頭や身体のはたらき)を調べることに興味があります。ただシステムを作るだけというのも、ただ 調べるだけというのも好きではありません。両方やることで、研究の「健全性」を保つことができると考えています。研
究の「健全性」とは、その研究を進める と「何がうれしいのか」、「何に貢献できるのか」、「何がわかるのか」を常に明確にしておくことだと思います。
「インタラクティブシステ ム」と「認知情報科学」を両方研究する理由がもう一つあります。未来大の学部名は、システム情報科学部ですが、「情報科学」がはたして「科学」なのかとい
う疑問は常に持っています。簡単にいうと、コンピュータの上にシステム(プログラム)を作ることが「普遍性」のある「科学」なのかな、という疑問です。で も、作ったシステムをとおして「人間」を
考えるとそれは明らかに「科学」になります。人間の情報処理機能、認知機能を調べることは立派な「科学」でしょ う。だから両方の研究を進めたいと思っています。
それでは、これまで行ってきた研究を簡単に紹介します。大きく分けると、ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)とヒューマンロボットインタラクション(HRI)、お
よびエージェントに関する研究に分けることができます。
まず、HCIに関する研究として、人とコンピュータの対話システムを作りました。単なる対話システムではなく、コンピュータに「感情」の機能を持たせて、人と対話させようというものです。実
際に作ってみると、人とより自然に対話できるようになりました。
次 に、エージェントに関する研究として、日本語や英語などの自然言語が変化する過程を再現するためマルチエージェントシステムを作り、シミュレーションを行 いました。英
語やドイツ語などはもとをたどると同じゲルマン祖語から派生しています。それではなぜ分かれてしまったのでしょうか? そのような問題をコン ピュータを使って考えました。
さらに、エージェントの研究として、「恋するコンピュータ」という、ちょっと変わったタイトルの研究をしま した。この研究は、これまでの人工知能の難しい問題を解決するためには、コ
ンピュータが自分で「意味」や「価値」を見出すことが重要だと考えるところから 始まりました。実際にコンピュータ上でシミュレーション実験を行いましたが、当然、いまだ研究途中です。
今度は、エージェントとロボット を結びつける研究をしました。簡単に言うと、自分が可愛がっていたエージェント(電子ペットのようなもの)が自分のノートパソコンから、ロボットの上の
ディスプレイに乗り移ったりして、ガイドしてくれるシステムです。エージェントがロボットに乗り移ると、人はロボットに対して「親しみ」を感じるようで す。
さらにHRIに関する研究を行い、人とロボットがコミュニケーションするときに何が重要かが少し分かりました。「ロボットの心を読 む」という研究では、人
がロボットをコミュニケーションの対象とみなして「注意」を向けることが重要だとわかりました。次に、「人とロボットの共創対話」 という研究では、人と人および人とロボットとも、コ
ミュニケーションするときジェスチャーが重要な役割を果たしていることが明らかとなりました。もし興味を持った研究がありましたら、論文などを読んでみてください。
最近の著作
- 小野哲雄,今井倫太,石黒浩,中津良平(2001).身体表現を用いた人とロボットの共創対話.『情報処理学会論文誌』,Vol. 42,No. 6,pp. 1348-1358.& #160;
- Tetsuo Ono, Michita Imai, Ryohei Nakatsu (2000).Reading a Robot's Mind:A Model of Utterance Understanding based on the Theory of Mind Mechanism. International Journal of Advanced Robotics, Vol. 14, No. 4, pp. 311-326.
- 小野哲雄,今井倫太,江谷為之,中津良平(2000).ヒューマンロボットインタラクションにおける関係性の創出.『情報処理学会論文誌』,Vol. 41,No. 1,pp. 158-166.
- 小野哲雄,東条敏(1998).推論機能を有するエージェント群による共通文法の組織化,『人工知能学会誌』,Vol. 13,No. 4,pp. 546-559.
- 小野哲雄,佐藤理史(1995).免疫システムのメカニズムを用いた感情の計算モデル,『認知科学』, Vol. 2,No. 3,pp. 48-65.
- 小野哲雄(2002).道案内ロボットと身体表現.『言語』,Vol. 31,No. 3,pp. 56-61.
- 今井倫太,小野哲雄,中津良平,安西祐一郎(2002).協調伝達モデル:関係性に基づくヒューマンロボットインタフェース.『電子情報通信学会論文誌A』,Vol. J85-A,No.3,pp. 370-379.
- 今井倫太,小野哲雄,石黒浩,中津良平,安西祐一郎(2001).ロボットからの発話:自発的発話生成のための注意表出機構の実現.『情報処理学会論文誌』,Vol. 42,No. 11,pp. 2618-2629.
- Hiroshi Ishiguro, Tetsuo Ono, Michita Imai, Takeshi Maeda, Takayuki Kanda,Ryohei Nakatsu (2001). Robovie: An Interactive Humanoid robot, International Journal of Industrial Robot, Vol. 28, No. 6, pp. 498-503.




