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教員・研究紹介

教員紹介 複雑系知能学科

佐藤 直行   (准教授)

Naoyuki Sato
■所属学科:
複雑系知能学科
■専門分野:

脳科学、脳理論、計算論的神経科学

■担当科目:

数学総合演習Ⅰ、数学総合演習Ⅱ、情報処理演習、情報数学、ブレインサイエンス


プロフィール

認知や記憶の神経ダイナミクスを計算理論と実験計測の両面から研究しています。

・最終学歴: 東北大学大学院工学研究科
・学位: 博士(工学)
・前歴: 独立行政法人理化学研究所 研究員
・着任時期: 2009年4月1日

仕事の紹介

人間はコンピュータと違い、生きる上で次々に起こる新しい状況に対して新しい認識、行動を創発的に生み出すことができます。 このような人間の創発的認識・行動の脳の働きを明らかにすることは、単 に科学的好奇心の問題だけでなく、より安全で使いやすい工学システムにとって不可欠です。ところが、脳はシステムとして働いているので、単に細かく詳しく調べる、だけではよくわかりません。 すなわち、神 経細胞の振る舞いを詳しく調べても認知・行動は直接的にはわからないけれども、認知・行動の理解のためには神経細胞の振る舞いを知る必要がある、という状況です。こ のようなシステムとして機能する脳を理解するためには、複雑系の構成論的なアプローチが重要です。コンピュータ上で神経回路網をシミュレーションし、そ のパフォーマンスや個々のユニットの性質を実際の脳と比較検討することで、脳の働きを理解することができます。 

私の専門分野は、計算論的神経科学(Computainal Neuroscience)です。脳の機能としては空間認知が専門で、奥行き知覚(特に両眼視差、パースペクティブ)、認知地図( 移動できる環境の記憶)、エピソード記憶(日々の経験の記憶)などを研究のテーマとして、神経回路モデルを提案してきました。神経ダイナミクスとしては、神経リズムの同期現象に注目してきました。神 経同期は四肢の統合的な運動制御などに必須のダイナミクスですが、これが知覚や記憶でも重要なダイナミクスになると考えています。身体運動、視覚・運動知覚、記憶が神経同期として統合されることで、全 体として整合のとれた空間認知が達成されると考えています。

私の目標は脳の計算原理を解明することですが、神経回路モデルを構築するためにも、構築した神経回路モデルが実際の脳のモデルと言えるのかどうかを調べるためにも、実 際の人間の脳の性質を知る必要があります。そこで計算理論の構築と同時に、認知心理実験によって脳の情報処理の性質を調べ、生体計測(脳波や眼球運動など)によって神経ダイナミクスを調べてきました。実 験と理論を組み合わせて用いることで、計算理論、神経表現、ダイナミクスがぴたり合う、脳の計算モデルを提案できると考えています。今後はさらに、理 論と実験組み合わせた新しい脳システム理解の研究アプローチを提案していきたいと考えています。また、良い理論はそのまま工学的な応用ができるべきだと考えており、今 後は理論を応用することで理論の機能を検証したいと考えています。

・ホームページは こちら

最近の著作

1. Naoyuki Sato, "Theta phase coding in human hippocampus: A combined approach of a computational model and human brain activity analyses", In "Dynamic Brain -from neural spikes to behaviors", Lecture Notes in Computer Science (LNCS) 5286. (Eds.) Marinaro, Scarpetta, and Yamaguchi. Springer-Verlag (2008) pp.13-27.

2. Naoyuki Sato, Yoko Yamaguchi, "Human EEG theta rhythm during memory encoding with voluntary eye movements", NeuroReport 18(5) (2007) pp. 419-424.

3. 佐藤直行、山口陽子、"リズムから探る脳の記憶:物-場所連合記憶を繰る海馬神経リズムの同期"、岩波科学 75(12) (2005) pp. 1403-1408.

4. Naoyuki Sato, Yoko Yamaguchi, "On-line formation of a hierarchical cognitive map for object-place association by theta phase coding", Hippocampus 15 (2005) pp. 963-978.

5. Naoyuki Sato, Yoko Yamaguchi, "Memory encoding by theta phase precession in the hippocampal network.", Neural Computation 15(10) (2003) pp. 2379-2397.

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