USCF公式ルール目次

 

第1章 チェス公式ルール

T.1 序説

T.2 組織と会員

T.3 チェス盤

T.4 駒

T.5 手番

T.6 指し手の定義

T.7 駒の動き

T.8 指し手の完了

T.9 触った駒

T.10 ルール外の局面

T.11 チェック

T.12 ゲームの終了

T.13 棋譜の義務

T.14 持ち時間

T.15 ゲームの一時中断

T.16 中断したゲームの再開

T.17 競技者の行動規範

T.18 トーナメント・ディレクター

T.19 試合結果

T.20 ルールの監査

T.21 ルールの適用範囲

 

第2章 競技会規約と要領

U.1 序説

U.2 原則外の公表について

U.3 スイス式競技会

U.4 スイス式(原則)

U.5 スイス式(手順)

U.6 スイス式(実践)

U.7 総当り戦

U.8 チーム戦

U.9 賞金

U.10 賞についての示唆

U.11 タイブレークの方法

 

レイティングについて

 

(以下USCF公式ルールブックより抜粋)

公式競技会に参加した者は誰でもレイティング(実力評価点)を得ることができます。レイティングは、個々の対戦相手に対する実力を測るための方法ですので、ひと試合ごとに上下します。

 例1:レイティングのない参加者がいて、平均レイティング1500の相手に6戦して3勝3敗だったとしましょう。そのときその人の「仮レイティング」は1500となります。その計算は6戦してすべて引き分けだったときも、結果として3ポイントをとったときは同じです。

 この理論は、同じレイティング同士の結果は4戦して2勝2敗の五分になるという仮設から成り立っています。200点差の場合、強いほうは4戦して3勝1敗が期待されます。400点差で4戦4勝です。

 この比率から仮レイティングを計算できます。競技者が勝ったら相手のレイティングより400点上で、負ければ400点下とみなします。(引き分けは対戦者と同じレイティング。)これを20局続けて平均するとその競技者の仮レイティングが計算できます。

 例2:以前にレイティングのない者が競技に参加して、1212点に勝ち、1815点に負け、1340点に勝ち、1438点に引き分けたとしましょう。彼のレイティングは以下のように簡単に計算でき、1551点を得ます。

 

1212+400=1612

    1815−400=1415

  1340+400=1740

  1438    =1438

 

  6205÷4=1551.25

 

 このレイティングは4局だけから算出したことを示すため1551/4のように表されます。やったゲーム数が少ないとそれだけレイティングの信頼度は低くなります。

 例3:このレイティング1551/4の競技者が次の競技会で1472に勝ち、1726、1637に負け、1595と引き分けたとしましょう。同じ考えでレイティングを計算しますが、旧レイティングを次のように加味します。

 

  4×1551=6204

  1472+400=1872

  1726−400=1326

  1637−400=1237

  1595    =1595

 

  12234÷8=1529.25

 

彼のレイティングは1529に落ち着きます。

 また、この算出方法は次の公式で計算されます。

 

  

 

ここでRは新レイティング、Rは相手のレイティングの平均、Wは勝ち数、Lは負け数、Nは対局数を表しています。

 20局以上の「確定レイティング」を持った競技者には、上記と少しちがった複雑な公式が採用されますが、元になる考え方は同じで、以前の計算より改善されたものとなっています。

 もし同じレイティング同士が引き分けたら、レイティングは変わりません。勝てば、16点上がるし、負ければ16点を失います。そして、対戦相手のレイティングに応じて、やりとりする点数に16点の幅で適度な「ハンディ」をつけます。

 例えば、200点上の対戦者が勝った場合、上位者は4戦中3勝すると考えられるので、同等の対戦相手から得られる16点の半分、8点しか取れません。相手は8点失いますが、もし番狂わせで勝っていれば24点を得ますし、上位者は同様の点数を失います。

 もしこの2人が4戦して上位者の3勝1敗だったとしたら、上位者のレイティングは8+8+8−24=0だけ変化、つまり変わりません。対局者が理論通りの実力であれば長い目で見るとレイティングに変化はないことになります。試合結果が上下すれば、それに応じてレイティングは上下します。

 (中略)

 USCFの平均レイティングは1500で、1550が実際のトーナメントプレーヤーの平均です。階級に分けて賞を与えるなどの場合があるため、レイティングは次のようにグループ分けされています。

 (中略)

 国際レイティングは少し違ったグループ分けをしています。男子2200点以上、女子1900点以上が公式なものとなります。

 FM段位(注参照)はレイティングにより獲得されますが、IM、GM段位は数多くの上級競技会の好成績がないと取れません。これらの段位はレイティングとちがい、一度取れば一生のものとなります。

 

 (以下訳者注)

FIDEマスターはFM、インターナショナルマスターはIM、グランドマスターはGMと略されて表記されます。

これらはいわゆるプロの資格で世界チェス連盟(FIDE)より授与されます。FMは2350点以上、IMは2450点以上、GMは2550点以上が最低条件です。

 また2650点以上はスーパーGMと呼ばれることがあります。競技人口や方法の違いから、日本の囲碁将棋の段位をそのまま適用することはできません。しかし、FMがプロ奨励会員級、IMがプロ棋士級、GMをタイトルホルダーと考えるとわかり易いでしょう。このタイトルを取ることが、チェス棋士の夢のひとつです。

また、世界チャンピオンはFIDEの100ヶ国以上の国にいるそれぞれの名人の頂点に立つ最高のタイトルです。

函館チェスクラブでは、会員の実力の目安として独自のレイティング制度(USCFに準じたもの)を採用します。しかし、独自なレイティングには限界があります。

そこで、例えいくらかの会費を徴収しても、近い将来USCF支部として公式レイティングが発行できるようにしたいと考えています。USCFに加盟しようとする意味を、上記のようにご理解ください。