- 実世界で動作する知的システムを設計する場合の問題点
- 世界を完全に把握することが出来ない(不確実性がある).
- 与えられる情報が部分的である
- 与えられる情報や観測にノイズがある
- 不確実性を認めると,命題論理や一階述語論理のような古典的な論理推論は使
えない.
- 古典的論理推論の主性質
- 分離性(detachment): 命題Aがいったん真と認められ
れば,なぜそうであるかという理由を忘れて推論を継続できる.論理的推論で
は,与えられた前提のもとで真と認められる命題を少しずつ増やしていく.
- 単調性(monotonicity): 新しい証拠が得
られたり新たに命題が真であることがわかるにつれて,時間と共に真である命
題が単調に増加していく.
- 局所性(locality): A → B という推論規則は「Aが
成り立つ状況では,他にどのような推論規則があろうと,そのようなものは一
切無視して B を結論してもよい」ということを意味する.
- 合成性(truth-functionality): 論理的推論は複雑な命題 −例
えば A ∧ (B ∨ ¬C) − の真理値は,その構成要素 − 例えば A, B, C −の
真理値から計算できる.
- こうした仮定は不確実性を考慮に入れると破棄しなければならない.
- このパートの主目的
- 不確実性に関する連続的な尺度(確からしさの尺度)を数値的
に表現して,それに基づく推論について考える.