タイトル:ソボレフ不等式の最良定数
講演者: 亀高 惟倫 (阪大・名誉教授)
概要:
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n次元ユークリッド空間全体で定義された関数に対する純正のソボレフ不等式の
最良定数を求めた。
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n=1の場合に限定して、関数の定義域が境界を持つ場合を含めて、簡単で重要
ないくつかの場合に、ソボレフ不等式の最良定数を求めた。
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M=1,2,3,,,で番号付けられた、あるソボレフ不等式の系列に対しては、最良定数
はリーマンゼータの偶数における値となる。
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工学的な意味は次の通り。糸や棒のたわみの最大幅の2乗はポテンシャルエネル
ギーの定数倍で上から評価される。最良定数は境界条件やポテンシャルエネルギーに
含まれるパラメターの関数として求められる。
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ソボレフ不等式の意味を少し拡張すると面白いこともある。伝送線の離散モデル
であるトムソンケーブルや、カスケードRCフィルタの出力電圧の最大値の2乗は入力
電圧のパワーの定数倍で上から評価される。最良定数は回路定数から決まる、特性根
または特性係数の有理式となる。