授業編その2

チームで取り組むプロジェクト学習

水島:3年次全員必須のプロジェクト学習、みなさん、どうでした? 私は「北斗市ご当地キャラクターのデザイン」というテーマを選択したのですが、北海道新幹線のキャンペーンに使われるホンモノのキャラクターを制作しなければならなかったので、大変でした。地元の小学校に足を運んで小学生のワークショップを開催したり、複数の候補案を出して市民の人気投票を行ったり…。地域の人たちの参加によるデザインを目指しました。

どこのグループもそうだと思うんですが、プロジェクト学習はやっぱりチームワークが難しいですよね。ひとりひとりの個性がうまくかみ合うといいんけれど…。うちのリーダーは雰囲気づくりは本当に上手いのですが、それ以外のことがちょっと頼りなくて(笑)、じゃあ、みんなで足りない部分を補えばいいってことになって、結果的に全員がうまい具合に自分の力を発揮できる場所を見つけて完璧に分担作業になりましたね。

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頼りないリーダーだけど、みんなに愛される。結構思ったことをはっきり言う人たちが偶然にも集まってしまったのですが、リーダーがそれをうまく呑み込んでくれましたね。最終的にはいいチームワークだったと思います。

山本:確かに! 大事なのはチームのまとまり感だよね。でもそこがいちばん難しい。実は、僕も頼りないリーダーでした(笑)。テーマは「情報ライブラリーでの体験の記録・共有支援」で、本との出会いを促す新しいシステムを開発して、情報ライブラリー(大学図書館)の利用を活性化することを目標に掲げました。

チームは12人いたのですが、ただ単にグループ分けして仕事を割り振って進めるのではなく、違うやり方に挑戦してみたかった。全員のチームワークをどうしたら作れるかなと。

スタート時はなかなか活動がうまく稼働しなくて悩んで、メンバーとは夜遅くまで相談を重ねました。チームがまとまってきたと感じたのは前期の6月か7月頃だったかな。話し合いで出てきたアイデアをモノづくりにつなげようということになったら、メンバーからどんどんモノのプロトタイプができてきて…、触発されましたね。プロジェクト開始時は、実際に運用までできて使われるものが作れたらいいなと思っていたのですが、やはり実運用のハードルは高かったです。そこのところは悔いが残るけれど、得られた課題を次の機会に生かせればと思いました。

 

それぞれの個性と能力をチームの力に

澤田:私のところは「Mind communication」という、脳波を使ってコミュニケーションツールを作るというプロジェクトでした。人気のテーマだったので競争率が高くて、最終的には15人という大人数のグループに! グループ分けしてそれぞれ何か作ろうということになり、5人ずつの3グループが、提案から実装まで、全く違うモノづくりに挑戦しました。ゲーム、変声器、インタラクティブアートと、3つのグループごとに個性が出ましたね。

私はゲーム制作グループで、プログラミングに関しては得意なメンバー1人に任せきりになってしまい申し訳なかったなと…。この点は反省材料です。でも、他の人が手を出せないレベルのプログラミングに挑戦してくれました。プロジェクト学習は学科・コースの違う人たちとチームを組むので、コミュニケーションのとり方が勉強になりますね。自分の考えを前面に出しすぎた提案をするとぎくしゃくしちゃうので、それを抑えつつ、他の人の意見も受け入れ、協調しながらプロジェクトを進めていく貴重な経験をすることができました。

駒形:できる人に仕事が集中するっていうのは、あるよね。僕もリーダーだったんですけど、人をまとめるのは本当に難しくて…、ひとことで言うと面倒くさい、かな(笑)。なかには連絡も寄こさず、一番重要なデータを持っているのに肝心な時に来ないとか。もうなんで来ないんだ!って(笑)。担当を決めたはずなのに、あれ?知らないうちに違う人がやってる…みたいなこともあって(笑)。

僕が選択したテーマは「未体験レシピの探求」。コンピュータで料理のレシピを作成するのですが、健康と栄養バランスだけではなく、食欲を左右する料理の色彩も考慮してデータベースを作成するところからスタート。チームは1グループ3人×3つのサブテーマグループに分かれて作業を進めました。ところがグループ内のコミュニケーションはとれているんだけれど、肝心の「チーム全体として何を残したいのか」という全員の意思統一が行き詰まってしまって…。

実際にデータベースの構築に取りかかってからも、なかなか前に進まず、技術的な面でかなり苦しみましたね。そのため、分担は決めながらもこまめにデータを共有することで、全員体制で対応するようにしました。

 

リーダーを支えるフォロワーシップ

土永:まず、この人はどういう人物か?と、メンバーひとりひとりを理解することからプロジェクトは始まる(笑)。プロジェクト学習のメンバーは、いつも一緒にいる友だちではなくて、そのプロジェクトに興味があってやりたい人が集まってくるわけだから、普段話したことのない人が多くいますよね。

そんなメンバーが集まったチームで、成果物を作るというひとつの目標に向かう共同作業、チームワークのプロセスが本当に難しいです。衝突も当たり前。でもやっぱり、いろいろなコースの人が集まるからこそ、互いの違いを感じたり、刺激されたりしましたね。

上田:フォロワーシップっていうんですかね、僕がプロジェクト学習でいちばん学んだのはそこかもしれない。リーダーに対してメンバーがフォロワー(追随する者)になってリーダーを支えながら、目標達成に向けてメンバーも自発的に意見を言う、そういう意識と行動が大事です。たとえば、誰かに仕事が偏っていたら、別の誰かが気づいてあげないとうまくまわらない。できる人ができない人を理解すること、そういった心配りが大事かなと。みんなが自分の役割みたいなものをしっかり自覚して、それぞれのフォロワーシップを発揮していたような気がします。

プロジェクト学習2013年度最終発表会記念写真チームトランスファ

プロジェクト学習では、初めから作るものが決まっているわけではなくて、メンバーの話し合いで何を作るかもゼロから考えられるところが魅力ですね。僕のチームのテーマは「函館の未来を拓くトランスファー」で、魅力的で持続可能な函館の公共交通って何だろうということを考えてみました。未来大の学生をメインに調査したのですが、クルマを持っている学生は必要以上にクルマに依存しすぎの傾向にあることに気づきました。それを情報でどうやって解決できるのか興味を持って、最終的には携帯電話で学生同士の相乗り予約ができるシステムを開発しました。

それから、プロジェクト学習では教員も一緒になって考えたり、議論したりという機会が多いので、良くも悪くも(笑)教員との距離がぐっと近づきますね。

土永:私の選んだテーマは「地域に根差した数理科学教育」です。数学系のことをやりたかったし、実際に小学校に行って、子どもたちに教えるということにトライしてみたかったんです。授業のようすは、最初はシーンって静かだったけど、どんどん慣れていって生徒たちも楽しそうにしてくれて、とてもやりがいがありました。

水島:そうですね、プロジェクト学習のこの1年間は本当に大変だったけど、振り返ると面白かった。市民の人にもお世話になったし、いい出会いがたくさんありました。大学の中だけではなく外に出て得ることも、貴重な学びの体験でした。1年間かけてじっくり取り組める、しかも、お金も時間も与えてもらって、そういう環境の中でやりたいことができるのは幸せなことですよね。

プロジェクトアフリカ_柴山さんプロジェクト学習「アニメ・デ・エデュケーション」チーム
海外グループのアフリカ・ウガンダ共和国でのフィールドワーク