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蔦屋書店にて、知性を覚醒させる

kouza03公立はこだて未来大学公開講座「リケジョ的生き方のススメ」は、道南における新たな知の拠点である函館蔦屋書店と本学が地域貢献の一環として試みた初のコラボ企画です。さて、講座が始まるまでのひととき、店内をゆっくり歩いてみると――。コーヒーを飲みながら本を読む人、ソファで語り合うカップル、子どもたちもわいわいと遊びに興じています。店内はメガ書店というよりは、多くの人が行き交う街の広場の趣。街路に並ぶ書架は、知のショーウインドウといったところでしょうか。

2階の開放的な空間に用意された会場の無料聴講席は約50席。午後2時、美馬のゆり教授と蔦屋書店の文学コンシェルジュ森泰美さんのトークが始まると空席はあっという間に埋まり “立ち見”が出るほどの盛況ぶりです。トークに大きく頷く女性、メモを忙しく取る人、通りがかりに歩を止める人々も。日曜の昼下がり、リケジョトークはゆったりと流れる時間に寄り添いながら、時に鋭く時にしなやかに、耳を傾ける人たちの知性を心地よく覚醒させていきます。

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リケジョ的生き方の本質を読み解く

公開講座、その一部を再録してみましょう。

――「理系的」というのは、好奇心にあふれ、物事を論理的、分析的に考える態度。数学が得意とか、物理が得意とか、じゃなくて。これどうなんだろう、なんか変だなと思うと同時に、なぜなんだろうと分析もしてみる。そういう心の向かい方。それともうひとつ「女子的」。周囲を巻き込んでお互いを尊重しながらわいわいと楽しんで仕事をする。自分のやりたいことを見つけて、まわりを巻き込みながら、楽しく生きる生き方。これが「リケジョ的」の定義なんです――

――アイデア、ビジョン、インパクトと唱えてみてください。これ、みなさん、明日から使えます。「こんなのがあったらいいな」ってアイデアが浮かんだら、「これがあれば、こんな風になるよね」という誰もが想像できる未来、ビジョンを示す。それが社会に与える影響、インパクトまで含めてストーリーにする、物語る。そうすると聞いた人はその物語を微妙に変化させて、広がっていく。人が動くとストーリーがどんどん豊かになっていく。巻き込み力って、大事――

――コミュニケーションのあるところに学びは生まれるし、コミュニケーションの絶たれたところに問題が生じる。どういうコミュニケーションの場をつくることで、みんなが学び合えるようになるのか、それをいつもやってきたし、これからも考えていく。私はやっぱり新しいことが知りたい。人の役に立ちたいという思いもあるし、それを何とかかたちにもしていきたい。人それぞれにどれかに重きがあると思うけれど、私の場合は欲張りかも知れないけど、すべてやっていきたいんですよね――

――理系的な考え方。なんかヘン、違うと思ったら、なぜなんだろうと立ち止まって考えてみる、行動に移してみる。一人じゃできないからいろんな人を巻き込んで解決策を探っていく。科学する心は実はとても面白くて大事。その積み重ねが、世界を変える力、未来をつくる力になっていくと思う――

講座のテーマにもなった話題本のこと

kouza今回の公開講座のテーマ「リケジョ的生き方のススメ」は、美馬のゆり教授が自身のリケジョ人生で得た楽しい生き方を提案した書、『理系女子(リケジョ)的生き方のススメ』からきています。本書はジュニア向けの新書として出版されましたが、ジュニアや女子ばかりではなく、また進路を模索する若者に限らず、大人が読んでも興味深い内容と評され注目されています。リケジョ的な見方、考え方、創造力こそが次の時代をつくる未来力になる、と本書は示唆しています。――リケジョ的生き方は、理系・文系に関係なく、年齢不問、男女も関係なく誰にでも必要な思考――と、著者である美馬のゆり教授は説きます。さらに教授は、こう続けます「だって楽しく生きたいから」と。

文系だってリケジョ的、男子もしかり

「リケジョ的」の「的」。この「的」こそが、ミソのようです。理系女子に限らず、文系女子も男子も、老いも若きも、“自分のやりたいことを見つけて、まわりを巻き込みながら、楽しく生きる生き方は、これからの時代に必要な知恵であり、力になる”と、美馬のゆり教授は背中を押してくれます。講座終了後、小学生の女の子が著書にサインを求め、教授としばし雑談。彼女が今日の講座から得たものは何だったのでしょう。教授と少女、雑談の合間のはじけるような2人の笑顔が印象的でした。

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『理系女子的生き方のススメ』書誌情報