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2016年1月30日、東京は上野、不忍池近くにあるパーティ会場に公立はこだて未来大学の卒業生たちが続々と駆けつけました。久々の再会に、そこかしこで歓声があがっています。同期で盛り上がるテーブル、先生たちとの談笑、函館の名産品が当たる抽選会など、大盛況の同窓会イベントでしたが、「ただわいわい騒ぐパーティじゃないところが、未来大ならでは。この場でしか得られない貴重な情報も多かった」と、同窓会長の仙石智義さん(1期生・情報アーキテクチャ学科)。同窓生たちはどのような時間を共有し、何を持ち帰ったのでしょう。同窓会の活動と役割、同窓生たちが見つめる未来とは? 当日の実況を交えながら、同窓会役員の方たちと同窓会長仙石さんの熱い思いをお届けします。

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開学15周年、そして同窓会発足10周年

「BACK TO THE FUTURE UNIVERSITY」と銘打ち1月30日に開催された同窓会発足10周年・開学15周年の記念イベントは、5年前に開催された同様の同窓会イベント以来の大規模な会となりました。首都圏を中心に集まったOB・OGは約120名。当日は初代学長の伊東敬祐先生、中島秀之学長、次期学長就任予定の片桐恭弘先生が駆けつけたほか、塚原保夫先生、松原仁先生、美馬義亮先生、美馬のゆり先生、田柳恵美子先生も出席。社会の第一線で活躍している教え子たちの奮闘ぶりに熱心に耳を傾け、わが事のように喜んでいる先生たち。また、元事務職員の市川博一さんも参加、入り口に飾られた「教職員一同」からの花束とともに、教職員一丸となって学生たちを支える、その絆の強さをあらためて感じることができました。

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祝杯に続いては、学長からのメッセージ。「バイク好きの中島学長ならではの深く心にしみるメッセージでした」と、同窓会長の仙石さん。学長は、事故で夭折した伝説の名レーサー浮谷東次郎(うきや・とうじろう)の著書『がむしゃら1500キロ』からある一節を引用し、同窓生たちにこんなエールを贈ってくれたのです。曰く――しかしぼくが一番fullに使用していないのは、自分自身であるようだ――、つまり持って生まれた自分自身の “機能”をもっと使いこなそうよ、と。「本は浮谷東次郎が中学生のときに書いた日記なのですが、書いた本人もすごいけど、この本を探し出してきた学長もすごい。もう絶版になっている本なので古書としてしか販売されていません。函館に戻ってきてすぐにアマゾンで購入しました」と、仙石さん。会場に居た何人かは仙石さんと同じように、ネットで購入したかもしれませんね。

今回のイベントで大奮闘された同窓会役員からメッセージをいただいていますので、当日のようすを写真で振り返りながらご紹介しましょう。

どんどん失敗しよう。そこから学び、積み重ねること

東出さん公立はこだて未来大学同窓会 関東支部長
東出 満(第1期生・情報アーキテクチャ学科)

地元函館に新たな大学ができると聞き、「1期生」という響きも魅力に感じ、入学してから早16年。関東支部長として同窓会に関わってからも10年が経ちました。卒業後もこのように微力ながらも恩返しをすることができるのは、本当に幸せなことです。また、在学中には後輩と触れ合う機会は少なかったので、これからも在校生とOB・OGとの橋渡しを担える役割ができればと思っています。

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OB・OGはそれぞれ別の業種に勤めていることが多いので、同窓会の場では自分の仕事では体験できない話を聞くことができ、毎回新しい刺激を受け「自分も負けられない」と、新たな活力を得ています。

社会人となってからあらためてわかったことなんですが、大学時代こそ「大きく失敗できる特別の時間なんだ」ということ。当時の自分は失敗を恐れて思い切ったことがなかなかできなかったけれども、今思うと「どうしてあのときもっと思い切っていろいろできなかったのか?」「もっと貪欲に学べばよかった」と悔やむときもあります。現役生のみなさんには、どんどん失敗体験をしていただき、そこから学びとったものを積み重ねていってほしい。未来大は、それを学ばせてくれる場所だと私は確信しています。

“未来”のことを教えてくれる、それが未来大

黒田さん公立はこだて未来大学同窓会 理事
黒田 悦成(3期生・情報アーキテクチャ学科)

最近世の中で「人工知能」「IoT」「ロボット」などの言葉をよく耳にするかと思います。まさに私もその波に乗っかり、エンジニアとして会社内外で日々奮闘しています。開学15周年、同窓会10周年の今、当時を振り返ると私が活躍できるようになった知識の基礎は、ほぼ全てこの大学で学んだことだと気づかされます。

今年は2016年ですので、私が大学を入学してから14年も経つのですね。時の速さに驚かされます。この大学を選んだ理由は、漠然とコンピューターを学びたい(プログラム出来たらカッコいいな…とか)と思っていた単純な理由でした。それまでは、インターネットやメールはするけれども自分でプログラムを組んだことは一度もなく、プログラミングって何から始めたらいいのかなといった状態でした。
大学に入学してからは、興味ある講義を(プログラミング有無にかかわらず)たくさん受講しました。結果、プログラミングの講義で学んだテクニックが、プログラムを使用しないデザイン系の講義で思いがけず活用できたりとか、その“想定外”がうれしかったですね。

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受講した講義なかに「ニューロコンピューティング」がありました。ニューロコンピューティングとは、脳細胞の働きを数式で表現し、自己学習機能を持ったネットワーク(ニューラルネットワーク)を構築しようというものです。シラバスを読んでワクワクしたのを覚えています。ただ、それ自体当時の講義の一つでしかなく、単位取得後は卒研のテーマ探しで多少触れた程度で、ニューラルネットワークに触れる機会はここ10年ほどありませんでした。

そのニューラルネットワークが今話題です。Googleが画像認識技術に応用した、「ディープラーニング」という技術のベースとなっているのです。一気に世間の注目の的となったこの技術ですが、詳しく学んだ人は少ないのが現状で、これを扱えるエンジニアは大変重宝されています。私も今こそとばかりに学んだことを生かし、社内でこのシステムの開発を始めようとしているところです。

このエピソードで伝えたいのは、未来大はまさに“未来”のことを教えてくれているのだ、ということです。年次の経った卒業生だからこそ、今振り返ることができるのですが、大学では今も10年先や、もっと先の未来のことを教えているはず。私にもまだまだ、たくさん学んだことのストックがあります。次の“未来”がやってくるのをとても楽しみにしています。

ここまで母校愛が深い大学は、そうそうない

青山さん2公立はこだて未来大学同窓会 理事
青山 結(9期生・情報アーキテクチャ学科)

未来大学は開学当初から、学生・教員・職員がいっしょに作ってきた大学なんだなと、つくづく感じます。わたしは9期生ですが、そのような思いを在学中も、そして卒業後も強く感じていました。そして今、15年分の学生の想いが詰まった大学になったのだなと思います。これからも月日を重ねるたびに想いが溢れながら進化していくのだろうと考えると、とても楽しみです!

卒業してあらためて強く感じることは、いまどきここまで「母校愛」が深い大学はそうそうないだろうな、ということです。気づいたら、未来大が、函館が、みんな大好きになっていて誇りになっている。卒業し、様々な場所で活躍しながらも「未来大で過ごした」という共通点でみんな強く深く繋がっている。そんなことを、卒業後に強く感じる機会が多いです。学生はもちろん、教員、職員にいたるまで多くの人に愛されている大学って、本当にすごい存在だと思いますし、そのような場所で学べたことを心からうれしく思います。

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未来大は、なんでも受け入れてくれる風土に溢れているんですよね。やりたいことを、全力で応援してくれる場があって、そこは他の大学には負けません! 未来大は社会から大きな期待を寄せられている大学、というのは日々感じていますが、その礎となったのは、オープンで自由で許容ある学風によって培われたと実感しています。
大学生の間で「やりたいこと」を見出すことは実は簡単ではないかもしれませんが、その分、新しいことを受け入れてくれるのが未来大。学生のみなさんには、人生の貴重な時間をここで過ごしながらたくさんの経験を積んでほしいです。

同窓会長の未来大愛、函館愛とは

――同窓会長の仙石さんは函館市青年センターのセンター長としてもお忙しい日々を送られていますね。首都圏をはじめ、札幌や道外に就職する学生が多いなか、函館に根ざし、このまちにこだわり続ける最大の理由は何でしょう。

_MG_4531生まれも育ちも函館です。このまちのスロウな感じが大好きなのと、若者たちを受け入れる風土に魅力を感じています。学生時代に大門地区の活性化イベントに関わったことが、函館に根を張ろうと決意したきっかけでした。若者を受け入れてくれたまちの人たちの許容というか心意気に触れ、本当にありがたかった。今度は僕がそういう立場になりたいと思っています。学生時代にお世話になった方たちへのいちばんの恩返しは、頑張っている若者たちを応援すること。これは教育大学のイベントのパンフレットなんですが、僕個人で協賛広告も出しているんですよ。大人になって学生を応援できるようになったなんて、本当に感慨深いです。

――今回の同窓会イベントには、地元函館から多くの企業に協賛していただいたと聞いています。

今年は開学15周年、同窓会10周年。さらに北海道新幹線開業の年で、函館をPRする絶好の機会ということもあり、多くの企業から快く協賛品を提供いただきました。ごあいさつにうかがうなかで、企業サイドの未来大への期待はかなり大きいなと肌で感じましたね。市の観光パンフや北海道新幹線PRツールなど、函館市経済部の協力もいただきました。会場では経済部の方(未来大出身のOB)から、函館への移住支援のお話もしていただき、函館色を強く打ち出した会となりました。まちをあげて未来大を応援していただいている、卒業後も支えていただいている、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

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――同窓会の今後の運営、課題についてお聞かせください。

同窓会本部は函館を拠点としているのですが、実働部隊は関東支部ですね。事務的なこと、大学との連絡、地元企業とのやりとりは函館本部が受け持っていますが、約2000人の会員の把握、広報活動は関東支部が活発に動いてくれる。会長である僕の指示なしでも意図を汲んでどんどん先回りをして動いてくれるので、楽ちん(笑)です。
sengokuとはいっても、みんな仕事と家庭を持ちながら、プライベートな時間をやりくりしてのイベント企画は大変だったと思います。これを持続していくことの難しさはありますが、抜群のチームワークで課題は解決していけると思っています。何より、僕たちには大学のプロジェクト学習で培われた経験値があります。グループワークは得意中の得意、ですから。

同窓会の役割は第一には同窓生同士の親睦、同窓生と先生たちのつながりも大切にしています。さらに未来大ならではの同窓会の役割のひとつにあげられるのが、在校生支援です。大学のキャリアガイダンスの講義では、大学生活の過ごし方などOB・OGの立場から在校生にアドバイスしています。また、就職活動期には、先輩たちといっしょに食事をして就職活動の効果的な動き方を話したり、就活の疲れを慰労したり、相談に乗ってあげたりもしています。

今後は地元函館に還元できるような活動ができたら、と思っています。将来的にはこの地で起業して、卒業生を受け入れる、というのが理想。すでにそういうカタチでやっている人もいますけれど。卒業生が在校生に教える機会も増やしたい。他大学にはない、地元に根ざした公立大学ならではのつながりを強くしたいですね。同窓生同士のつながりを強くすることで、そういう構想も現実的になってくるのかな、と思っています。

――在校生、これから未来大を目指そうと思っている高校生のみなさんへ、メッセージを。

未来大は、学生同士、先生たち、卒業生同士の絆がとても強い大学です。この絆の強さが、未来大の強みでもあるんですね。在学中はこの絆をフルに活用してほしいし、卒業後もできる範囲で同窓会に関わってこの絆をさらに太くしていってほしいと願っています。中島学長のメッセージにもあった、「機能をフルに活用する」こと。OBやOG、先生たちの“機能”を、使い倒すくらいの勢いで貪欲に活用してほしいですね。
これからの進路に未来大を選択する方たちには、他大学にはない同窓生一同からの親身な支援を受けられるということをお伝えしたいです。在校生にとっても、未来大を目指す方にとっても、将来何かしらプラスに作用する、そういう同窓会であり続けたいと願っています。

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公立はこだて未来大学の設立時に掲げられた「オープンスペース、オープンマインド」の精神は、15年という時の養分を得て、社会のさまざまな分野で活躍する同窓生たちに脈々と受け継がれています。同窓会発足10周年の記念イベントは、それを実感する場でもあったようです。函館という地とのつながり、先生たちとの縁、同窓生同士の絆。当日参加できなかった同窓生たちも、Ustreamで発信される会場のようすをパソコンで見ながら遠隔参加。遠くにあってもみんなが同じ思い、同じ時間を共有し、明日に向かうことができるんですね。同窓会イベントを企画された同窓会長、役員のみなさま、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました!

 

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