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2021-04-12

令和2年度卒業式修了式 理事長学長式辞(動画)

令和2年度卒業式・修了式 理事長・学長式辞(11分間)

 

卒業生・修了生のみなさん、卒業そして修了おめでとうございます。
保護者、ご家族の方々にも心よりお祝いを申し上げます。
新型コロナウィルス感染症の状況を考慮して、卒業式・修了式は卒業生・修了生のみ対面参加という形式で執り行うことといたしました。どうぞご理解ください。

函館は雪も溶けて、少しずつ暖かくなり、日差しも明るく、春の兆しが感じられるようになってきました。

昨年新型コロナウィルス感染が発生し、世界中で人々の生活が一変しました。
それから一年余りが経ちます。未知の感染症に対する不安、はじめてのオンラインで受講する大学の授業やゼミ。旅もままならず、友人や家族との交流も制限される。みなさんもそのような不自由で苦しい一年を過ごしてきたことでしょう。

感染が収まったというにはまだ遠い状況ですが、感染爆発の危機は抑えられました。予想よりもはるかに早い記録的なスピードでワクチン開発が進んでいます。春の訪れとともに、トンネルの出口が見えてきました。

トンネルの先、ポスト・コロナを見据えて世界は変化を始めています。皆さんはそのような世界にこれから出ていきます。コロナ後もオンラインコミュニケーションは残るでしょう。大学の授業だけでなく、在宅勤務やオンライン会議などオンラインが主流になるかもしれません。

ノーベル賞経済学者のPaul Krugmanはコロナ後の社会を電子書籍の普及に擬えて予測しています。電子書籍が出てきた時には、電子書籍の便利さのために遠からず紙の本や紙の書店は駆逐されてしまって、すべて電子書籍と電子書店になるだろうと多くの人が予想しました。しかし30年がたった現在でも紙の本を
扱う書店は健在です。読みたい本が決まっている時には電子書店が圧倒的に便利です。しかし本のたくさん並ぶ書棚を巡って立ち読みをして思わぬ本に出会う楽しみは本屋でしか得られません。大学でもビジネスでも目的の明確なミーティングはオンラインが適しています。しかしコーヒーを飲みながらの対面の
ふれあいや雑談が実は貴重な情報交換や新しいアイデアを思いつくために重要のようです。オンラインと対面の共存と棲み分けが進むでしょう。

情報技術はコロナの感染拡大防止にも利用されました。感染状況の把握と情報提供、感染拡大のモデル化、感染者の接触追跡、マスクの配布や医療器具の配置、感染防止策の広報など多岐にわたっています。個別の技術開発だけでは完結せず、公平で効率的な運用制度の設計やユーザのシステムに対する信頼獲得
が不可欠となっています。未来大学で皆さんの学んだ「情報技術で社会をデザインする」ことのパワーと重要性を具体的に示してくれました。

皆さんの中には、今後進む道をはっきりと見つけて明日からそれに向けてまっしぐらに進んでいくという人もいるかもしれません。その人たちは幸運です。
しかし、まだ迷っているという人もたくさんいることでしょう。決して心配する必要はありません。いずれにしても、常に自分は何をやりたいのかを問うて、その思いに忠実に進んで行くことが大切です。

New Deal政策によって大恐慌に沈んだアメリカ復興を成し遂げたRoosevelt大統領の夫人Eleanor Rooseveltは「新しい日とともに新たな力と新たな思いが生まれる」という言葉を残しています。
新しい日とともに皆さんの活躍と成功が生まれることを期待します。
卒業おめでとう。

2021年3月22日
公立大学法人 公立はこだて未来大学 理事長・学長
片桐 恭弘