教員プロフィール

教授
高村 博之 Hiroyuki Takamura
所属学科複雑系知能学科
専門分野非線形偏微分方程式論
担当科目解析学I(学部共通1年次必修)、解析学II(学部共通1年次必修)、システムと微分方程式(複雑系コース2年次必修)、システムと微分方程式続論(複雑系コース3年次選択)、複雑系数理特論(大学院複雑系情報科学領域)
最終学歴北海道大学大学院理学研究科・数学専攻・修士課程
学位博士(理学) 、北海道大学第4781号1995年6月、主査:上見練太郎教授
経歴北海道立札幌東高等学校、1986年3月卒業
北海道大学理学部数学科、1990年3月卒業、理学士:理第6632号
北海道大学院理学研究科数学専攻修士課程、1992年3月修了、修士(理学):第13351号
筑波大学数学系助手、1992年4月~1997年5月
筑波大学数学系講師、1997年6月~2003年8月
公立はこだて未来大学助教授、2003年9月~2007年3月
公立はこだて未来大学准教授、2007年4月~2012年3月
公立はこだて未来大学教授、2012年4月~現在まで
着任時期2003/09

研究内容

数学の定理を作る数学者です。専門は純粋数学としての偏微分方程式論で、特に非線形波動方程式を研究しています。

研究の魅力

世界で誰も知らない証明を自分だけのものにできること。

実績

最近、北大数学科修士の頃から20年近く考え続けてきた数学の定理にようやく証明を付けることができました。それは非線形波動方程式の初期値問題の一般論というものが、これ以上は改良できませんよ、という最適性を示すものでした。空間次元とベキ型非線形項の次数との組み合わせの中で、なぜか4次元の2次だけが20年以上も未解明のままで、私を含む数多くの研究者達が証明しようと四苦八苦してきたものでした。この結果は学術論文として国際研究誌に掲載されています。(主な著作・論文の13) この業績によって、2013年12月に日本数学会函数方程式論分科会から第五回福原賞を授与されました。詳しくは分科会のホームページ http://mathsoc.jp/section/dfe/ をご覧ください。これを機に更に自分の洞察力を磨いて、非線形偏微分方程式論に貢献していきたいと考えています。

主な著作・論文

2010年以降分のみ掲載します。京都大学数理解析研究所講究録と投稿中以外は、すべて査読付き学術論文です。
1. N.-A.Lai & H.Takamura, "Blow-up for semilinear damped wave equations with sub-Strauss exponent in the scattering case", 投稿中 (arXiv:1707.09583).
2. N.-A.Lai & H.Takamura & K.Wakasa, "Blow-up for semilinear wave equations with the scale invariant damping and super-Fujita exponent", J.Differential Equations, 印刷中 (arXiv:1701.03232).
3. T.Imai & M.Kato & H.Takamura & K. Wakasa, "The sharp lower bound of the lifespan of solutions to semilinear wave equations with low powers in two space dimensions", Proceeding of the international conference "Asymptotic Analysis for Nonlinear Dispersive and Wave Equations" of a volume in Advanced Study of Pure Mathematics, 出版受理済 (arXiv.1610.05913).
4. 高村博之,『単独非線形波動方程式の一般論とその最適性を支えるモデル方程式』,日本数学会編集『数学』,岩波書店,印刷中
5. H.Takamura & K.Wakasa, "Global existence for semilinear wave equations with the critical blow-up term in high dimensions", J.Differential Equations, 261(2) (2016), 1046-1067.
6. M.A.Rammaha & H.Takamura & H.Uesaka & K.Wakasa, "Blow-up of positive solutions to wave equations in high dimensions", Differential and integral equations, 29 (1-2) (2016), 1-18.
7. H.Takamura, "Improved Kato's lemma on ordinary differential inequality and its application to semilinear wave equations", Nonlinear Analysis TMA, 125 (2015), 227-240.
8. 高村博之, 「単独非線形波動方程式の初期値問題に対する一般論の終結に関する話題」, 京都大学数理解析研究所講究録, 1969巻 (2015), 40-63.
9. 高村博之, 「常微分不等式に対する加藤の補題の改良と半線形波動方程式への応用」, 京都大学数理解析研究所講究録, 1959巻 (2015), 153-163.
10. H.Takamura & K.Wakasa, "Almost global solutions of semilinear wave equations with the critical exponent in high dimensions", Nonlinear Analysis, TMA 109 (2014), 187-229.
11. Y.Kurokawa & H.Takamura & K.Wakasa, "The blow-up and lifespan of solutions to systems of semilinear wave equation with critical exponents in high dimensions", Differential and Integral Equations 25(3-4)(2012), pp.363-382.
12. H.Takamura & K.Wakasa, "The final problem on the optimality of the general theory for nonlinear wave equations", Progress in Mathematics vol.301, M.Ruzhansky & M.Sugimoto & J.Wirth (eds.), "Evolution Equations of Hyperbolic and Schr"odinger Type", (2012), pp.315-324.
13. H.Takamura & K.Wakasa, "The sharp upper bound of the lifespan of solutions to critical semilinear wave equations in high dimensions", J.Differential Equations, 251(4-5) (2011), pp.1157-1171.
14. H.Takamura & H.Uesaka & K.Wakasa, "Sharp blow-up for semilinear wave eqautions with non-compactly supported data", Discrete and Continuous Dynamical Systems, Supplement (2011), pp.1351-1357.
15. H.Takamura & H.Uesaka & K.Wakasa, "Blow-up theorem for semilinear wave equations with non-zero initial position", J.Differential Equations, 249(4)(2010), pp.914-930.

学生へのメッセージ

【学部学生向け】研究と教育は表裏一体であると思います。最近になって研究が進んだのは、若狭恭平君(本学複雑系科学科卒業、本学大学院前期博士課程修了、北海道大学理学研究院数学専攻学振DC2・PD、現:室蘭工業大学研究員)という共同研究できる教え子を未来大で得たことが大きいと思います。情報系大学で私と研究することは、単に数学系の授業を受けているだけでは難しいのですが、早い時期に私のアドバイスを受け独学で一生懸命勉学すれば必ず可能性が開けてきます。そのようなことが理想ですが、それは何年かに1人でもいれば十分と考えています。一般的には授業やプロジェクト学習、卒業研究で、小学校~大学の数学やその教育に関して、学生の皆さんと一緒に数学という学問を楽しむことが目標です。したがって数学を得意にしている学生だけを相手にしてるということは一切ありません。どんなレベルでも、はっきりあることを理解できたときの喜びは、人間が本能的に求めているものだと思います。好奇心の旺盛な学生が私の欲しい未来大生です。

【大学院生向け】内部進学希望者で私から研究指導を受けるには、εδ論法による正式な微積分学とジョルダン標準形の理論を含む線形代数学はもちろんのこと、ルベーグ積分論と関数解析学を勉強していることが必要です。そのためには遅くとも学部2年から準備を始める必要があります。また他大学理学部数学科からの進学希望者を特に歓迎します。どちらの場合も事前に相談することが必要です。