教員プロフィール

教授
中小路 久美代 NAKAKOJI, Kumiyo
所属学科情報アーキテクチャ学科
専門分野ナレッジインタラクションデザイン
創造性支援
データエンゲージメントデザイン
デザイン学
担当科目
学位米国コロラド大学ボウルダー校よりPh.D.(学術博士)(コンピュータ科学、認知科学付記)
経歴1986年大阪大学基礎工学部情報工学科卒業、同年(株)SRA。1993年米国コロラド大学コンピュータサイエンス学部よりPh.D.取得。 コロラド大学客員助教授、奈良先端科学技術大学院大学客員助教授、東京大学・先端科学技術研究センター・特任教授を経て、2013年京都大学・大学院横断教育プログラム推進センター・デザイン学リーディング大学院・特定教授。2019年より現職。
着任時期2019/4/1

研究内容

〈人〉と〈ソフトウェアを中心とする情報技術環境〉とで構成される系の在り方についての研究を行なっています。人の創造性や知識活動を支えて促進するようなデータとの視覚的なインタラクティビティを備えた環境や、触発する体験を可能とするようなミュージアム環境の創出についての研究プロジェクトを進めています。

研究の魅力

人間には、認知的社会的な性質があります。情報技術では、新たに作り出せる機能や様相、現象があります。人間に合わせた情報技術を作り出すことができますが、人間もまたそれに合わせる、さらには自覚しないままに合わせてしまう、という性質があります。このように、人と情報技術環境には、相互に作用し合う関係があります。私の興味は、このような時間的に変化していく相互作用を踏まえた上で情報技術を考えるところにあります。

研究テーマは、人と情報技術で構成される系のデザインです。私にとっての<デザイン>は、建造物やマシン、ソフトウェアシステムはもちろんのこと、サービスにおける顧客体験や、教育や社会制度・政策といったものまでをも含めた、広い意味での<人工物>の在り方を探求する科学となります。

実績

1997年科学技術振興事業団(現科学技術振興機構)さきがけ研究「情報と知」領域研究員。2000年同さきがけ「協調と制御」領域研究員。専門はヒューマンコンピュータインタラクション、ソフトウェア工学および創造活動支援。特に知的創造作業のためのナレッジインタラクションデザインに関する研究。インタラクションデザインプラクティス、ソシオテクニカルなソフトウェア開発支援等のプロジェクトに関わる。人工知能学会理事、ヒューマンインタフェース学会理事、文部科学省科学技術・学術審議会委員等、CHI, ICSE, FSE, CC等の国際会議の実行委員、プログラム委員等歴任。2006年コロラド大学よりDistinguished Engineering Alumni Awardを受賞。

主な著作・論文

Yasuhiro Yamamoto, Kumiyo Nakakoji, Visual Interactivity to Make Sense of Heterogeneous Streams of Design Activity Data, Proceedings of Design Computing and Cognition DCC'18, J.S. Gero (Ed.), Springer, pp.745-763, Lecco, Italy, July 2018.

Kumiyo Nakakoji, Instrumenting Interaction for Inspiration and Imagination, Keynote, ACM Creativity and Cognition Conference 2017, Singapore, June 28, 2017.

Toru Ishida, Tetsuo Sawaragi, Kumiyo Nakakoji, Takushi Sogo, Interdisciplinary Education for Design Innovation -Challenges in Kyoto University Design School-, IEEE Computer, Special Issue on Learning Technologies, Vol.50, Issue 5, pp.42-52, IEEE Computer Society, May 10, 2017.

中小路久美代, インタラクションデザイン, 人工知能学大事典, 人工知能学会編, Chap.14 創造活動支援, pp.1087-1090, 共立出版株式会社, July 12, 2017.

中小路久美代, 岡田猛, 川嶋稔夫, 山本恭裕, 新藤浩伸, 木村健一, 影浦峡, 文化的な公共空間における触発する体験, サービソロージー, Vol.3, No.2, サービス学会, pp.10-17, July, 2016.

Kumiyo Nakakoji, Yasuhiro Yamamoto, Yusuke Kita, Visual Interaction Design for Experiencing and Engaging with a Large Chronological Table, Proceedings of the 3rd HistoInformatics Workshop on Computational History (HistoInformatics 2016), pp.47-51, Krakow, Poland, July 11, 2016.

中小路久美代, 新藤浩伸, 山本恭裕, 岡田猛(編), 触発するミュージアム−文化的公共空間の新たな可能性を求めて, あいり出版、May, 2016.

中小路久美代, デザインと認知, 石田亨(編), デザイン学概論, 京都大学デザインスクールテキストシリーズ1, Part 1: デザインの基礎, Chapter 2, pp.21-36, 共立出版株式会社, April, 2016.

中小路久美代, 絹川友梨, 即興演劇ワークショップのデザイン学的解釈の試み, 解説論文, 計測と制御, 特集「デザイン学のインパクト」, 計測自動制御学会, Vol.54, No.7, pp.485-493, July, 2015.

Y. Yamamoto, K. Nakakoji, Interaction Design of Tools for Fostering Creativity in the Early Stages of Information Design, International Journal of Human-Computer Studies (IJHCS), Special Issue on Creativity L. Candy, E. Edmonds (Eds.), Vol.63, No.4-5, pp.513-535, October, 2005.

中小路久美代,山本恭裕,創造的情報創出のためのナレッジインタラクションデザイン,人工知能学会論文誌,Vol.19, No.2, pp.154-165, March, 2004.

学生へのメッセージ

デザインされるモノやコトの全体と、それを構成する部分は、相互に依存しながら循環する性質をもっています。これを作り出すためには、まだないことをあるようにして思い描く想像やシミュレーションをする能力と、それを駆動するスキル、デザインするものと関わることになる人間というもの認知的・社会的な特性や文化的な背景についての理解、デザインされるモノの性質についての理解、さらには、こんなものが欲しい、こんなことが出来たらいい、こういう風になっているべきだ、といった、表現への欲求や衝動といったものを兼ね備えることが求めれると考えています。

前任地で作ったインタビュービデオで、基本的な思いを語っています。
https://youtu.be/Kc0h7pAxPeg

最相葉月氏の「ビヨンド・エジソン〜12人の博士が見つめる未来〜」(ポプラ社, September 16, 2009.)の中で、「第九章 人間とコンピュータの対話をデザインする:情報科学者・中小路久美代と作曲家モーツァルト伝」に取り上げられています。