教員プロフィール

准教授
中村 美智子 NAKAMURA, Michiko
所属学科メタ学習センター
専門分野心理言語学(文処理、言語習得)
担当科目Communication 1-4, Cognitive Science (Language Acquisition), Academic Literacy in Context II
最終学歴米国 ハワイ大学マノア校大学院 言語学部
学位Ph.D. in Linguistics
経歴2003年ハワイ大学にて博士課程修了後,奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 自然言語処理学講座 21世紀COEプログラム ポストドク研究員.2005年ハワイ大学マノア校 言語学部客員助教授を経て,2006から2011年まで同大学のアカデミックアドバイザー.
着任時期2012/01

研究内容

(1) 人間の認知でも特に,言語情報の処理や習得に興味があります.例えば,文の意味を理解する際,日本人は文末まで待たずに入ってきた語を逐次的に分析し,また,次に来る語や文の構造を予測しながら聞いたり読んだりしていることが先行研究の結果からわかっています.それが行なわれている間, 情報を一時的に保存するワーキングメモリがどう使われているのか,それが言語の構造によってどう変わるのか,なぜある種の構文が他の構文より処理が難しいのか,などを研究しています.
(2) 学生が他の学生に教える学習支援活動はピア・チュータリングとよばれ,チューターとチューティの両方に学びの恩恵があると言われています.しかし,具体的にピア・チュータリングの何が学びをもたらすのかその詳細はまだわかっていません.それを明らかにするために.国際認定を受けた学習支援センターで働くチューターの行動やストラテジーを分析し,学びのもとになる要因を研究しています.

研究の魅力

言語処理,母語の獲得,学習,思考,計算などの認知活動やプロセス,あるいは,それをサポートする記憶や注意,知覚などの認知システムは,人の脳に存在し,そこで操作されています.しかし,人の頭を割ってみたところで,具体的に何がどうなっているかを直接見ることはできません.「あっ,昨日覚えた英単語が,脳のこんな所にあった」「大学4年間の学びが,脳の○○にきれいに並んでいた」とはいかないのです.例えば,「学び」の研究といっても,何がどのようになったことを学び言うのか,学びの定義を考えることから始まります.次に,人の行動や意識に関するどのようなデータで「学び」を測るかも考えなくてはなりません.そして,数値化されたデータが「学び」について何を言っているのか解釈しなくてはなりません.他のいろいろな可能性を考えながら,直接目には見えない複雑なシステムをデータにもとづいてわかるようにしていく,それが認知科学研究の魅力だと思います.

実績

競争的研究資金(学習支援関連)

• 2018-2020年度 科学研究費助成事業 研究基盤C (一般) 学習支援センターにおけるチュータリングの行動分析からみたチューター研修の効果検証(課題番号18K02730)(代表者)
• 2017年度 公立はこだて未来大学特別研究費教育方法研究 E02 学習支援センターにおける重点スキルの実証(代表者)
• 2016年度 公立はこだて未来大学特別研究費教育方法研究 E02 学習支援データ活用のための情報環境デザイン(分担者)
• 2015年度 公立はこだて未来大学特別研究費教育方法研究 E06 正課・課外教育の連携における学習効果測定とチューター育成に関する研究(分担者)
• 2014年度 公立はこだて未来大学特別研究費教育方法研究 E06メタ学習ラボ・ピアチューターのパフォーマンス評価の実践と検証(代表者)

主な著作・論文

• Nakamura, M. & Suzuki, C. (2017). On the role of working memory capacity and signaling in multimedia learning. EDULEARN17 Proceedings (pp. 4405-4414). IATED.

• 中村 美智子, 冨永 敦子, 椿本 弥生, 大塚 裕子, 高橋 理沙 (2016). 利用者満足度の規定要因からみたチューター研修の成果. 日本教育工学会第32回全国大会講演論文集 (pp.677-678).

• 椿本 弥生, 冨永 敦子, 中村 美智子, 大塚 裕子, 高橋 理沙 (2016). 大学初年次生の進路選択に関わる学習方略: メタ認知方略の活用度の差に着目して. 日本教育工学会第32回全国大会講演論文集 (pp.717-718).

• 中村 美智子, 冨永 敦子, 大塚 裕子, 椿本 弥生, 高橋 理沙 (2015). ピア・チュータリングの利用者満足度に影響を与える要因. 日本教育工学会第31回全国大会講演論文集 (pp.147-148).

• 冨永 敦子, 大塚 裕子, 中村 美智子, 椿本 弥生, 高橋 理沙 (2015). 学習支援センターにおけるチュータリングが利用者に与える影響, 日本教育工学会第31回全国大会講演論文集 (pp.145-146).

• Miyamoto, E.T. & Nakamura, M. (2013). Unmet expectations in the comprehension of relative clauses in Japanese. In M. Knauff, M. Pauen, N. Sebanz, & I. Wachsmuth (Eds.), Proceedings of the 35th Annual Conference of the Cognitive Science Society (pp. 3074-3079). Austin, TX: Cognitive Science Society.

• Nakamura, M. & Miyamoto, E.T. (2013). The object before subject bias and the processing of double-gap relative clauses in Japanese. Language and Cognitive Processes, 28:3, 303-334.

• Nakamura, M. & Miyamoto, E. (2012). Expectation and gap preference in the comprehension of Japanese relative clauses. IEICE Technical Report, TL2012-18 (2012-7), 47-52.

• O’Grady, W., Nakamura, M., & Ito, Y. (2008). Want-to contraction in second language acquisition: An emergentist approach. Lingua 118, 478-498.

• Nakamura, M. & Miyamoto, E.T. (2006). Crossed dependencies and plausibility factors in the interpretation of double-gap relative clauses in Japanese. Cognitive Studies: Bulletin of the Japanese Cognitive Science Society, 13, 369-391.

• Miyamoto, E., & Nakamura, M. (2005). Unscrambling some misconceptions: a comment on Koizumi and Tamaoka (2004). Gengo Kenkyu (Journal of Linguistic Society of Japan), 128, 113-129.

• Miyamoto, E., Nakamura, M., & Takahashi, S. (2004). Processing relative clauses in Japanese with two attachment sites. In Keir Moulton & Matthew Wolf (Eds.), Proceedings of the 34th Annual Meeting of the North East Linguistics Society (pp. 441-452).

• Miyamoto, E., & Nakamura, M. (2004). Subject/object asymmetries in the processing of relative clauses in Japanese. In G. Garding & M. Tsujimura (Eds.), Proceedings of the 22nd West Coast Conference on Formal Linguistics (pp.342-355).

学生へのメッセージ

辛くて大変な作業がたくさんありましたが,私の人生の中で最も楽しく充実していたのが大学院にいた時です.とことん研究をし,いろいろな人と知り合い,自分の可能性を広げて下さい.