食品からできるメンタルトレーニング


このページでは食事に気をつけるだけでできるストレス対策を紹介します。

対策は二つあります!

1.GABAを脳内に増やすべし!!

夜になると不安に襲われてなかなか寝付けなくて悩んでいる人は少なからずいると思います。そもそもなぜ嫌なことを思い出して眠れなくなるということが起きるのでしょう?


[2]それはグルタミン酸ばかりが分泌されるようになると脳の興奮状態が持続するようになるためです。GABAはこのような脳の興奮を抑えて、気持ちを落ち着けリラックスさせる効果があります。


[2]最近GABA入りのチョコレートに代表されるように食品で直接GABAを取ろうとする動きがありますが、GABAそのものを摂取しても神経細胞に伝達されないため脳内では増えません。そのためほとんど意味がありません。

じゃあGABAをどうやって増やせばいいの?

GABAを直接摂取しても脳内で増やすことはできなくても、GABAをつくる材料を摂取すれば増やすことはできます。GABAはグルタミン酸から作られます。グルタミン酸はアミノ酸の一部で食べ物から摂取することができます。つまり、アミノ酸が多く含まれる魚や肉、卵を摂取することを意識しましょう。

2.メラトニンを増やすべし!!

まず、睡眠が促されるメカニズムについて理解しましょう。睡眠にはメラトニンと呼ばれる神経伝達物質が深く関係しています。

メラトニンって何?

[2]メラトニンは睡眠作用を促す働きをもつ神経伝達物質で、安眠はこのメラトニンがしっかり分泌されているかどうかが関わってきます。そもそもメラトニンはセロトニンと呼ばれる神経伝達物質から作られます。

セロトニンはメラトニンと間逆の働きを持つ!

[2]セロトニンは脳を覚醒させ、活発化させる働きを持っていて、昼間に多く分泌されて夜は分泌が抑えられます。一方、メラトニンは昼に血中濃度が低下し夜に高まります。つまり、夜眠れないのは、夜遅くまで明るい場所にいるためメラトニンの分泌が十分になされず睡眠作用が適切に促されないため起こるといえます。

セロトニンとメラトニンはどうやって増やすの?

[2]実はこのメラトニンの材料となっているセロトニンはトリプトファンと呼ばれる必須アミノ酸から作られます。トリプトファンは必須アミノ酸であるため食品に含まれるタンパク質から摂取することができます。主に肉や乳製品に多く含まれています。

 

タンパク質を摂取したほうがいいのはわかったけど何に気をつけて作ればいいの?

タンパク質を取ったほうがいいのはわかったけどなかなか時間もないし、自分で作ってもおいしくできないという人がいると思います。そんな人にはうま味に注意して作ることをおすすめします。

そもそもうま味って何?

[2]実は人間の味覚にもアミノ酸が関わっているのをご存知でしょうか?味覚には甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5種類があります。このうまみを感じるうま味受容体が食べ物に含まれるグルタミン酸を感知し、神経線維を伝って脳に達することで私たちはうま味を感じることが出来ます。

つまり、グルタミン酸の含まれている食材をいれれば自然とうまみが増しておいしくなるというわけです。さらに、このうま味受容体にグルタミン酸の他に別のアミノ酸が一緒に入るとグルタミン酸を除いた別のアミノ酸同士の組み合わせに比べてうまみ反応が100倍アップすることがわかっています。特にグルタミン酸やイノシシ酸がうまみを倍加させます。

結局どんな料理がいいの?

グルタミン酸は先ほど述べたように魚や肉や卵、乳製品に多く含まれていることから、時間がなくてなかなかご飯を作る機会がないという人は卵ご飯や三角チーズなどで摂取するのが時間がかからず摂取できる方法です。

 

文責 小笠原建弘

参考文献

[1]水島 徹(2012) HSPと分子シャペロン 講談社
[2]石浦章一(2014) タンパク質はすごい! 技術評論社
[3]村上郁也(2010) イラストレクチャー認知神経科学: 心理学と脳科学が解くこころの仕組み オーム社