- 命題 (proposition)
- 文の内容をさすもので,論理的に真または偽が定まるものをいう.
- 論理演算子 (logical operator)
- 命題を結合し,論理式を構成するための演算子.¬, ∧,∨,→,≡ の
5つがある.各論理演算子に関しては以下を参照.
- 連言 (conjunction)
- 「A かつ B」(英語では"A and B")を (A ∧ B) と表記し,これをAとBの連言とよぶ.
- 選言 (disjunction)
- 「A または B」("A or B")を (A ∨ B) と表記し,これをAとBの選言とよぶ.
- 否定 (negation)
- 「A でない」("not A")を (¬A) と表記し,これをAの否定とよぶ.
- 含意 (implication)
- 「A ならば B」("A implies B")を (A → B) と表記し,これをAがBを含意するとよぶ.
- 同値 (equivalence)
- 「A と B は論理的に等しい」("A is equivalent to B" or "A is true if
and only if (iff) B is true")を (A ≡ B) と表記し,これをAとBは同値で
あるとよぶ.(A ≡ B) は「A は B の必要十分条件である」とか「もし A が
真であれば,そのときに限り B は真である」などとも読むこともできる.
- 基本命題 (atomic proposition)
- 原始命題,素命題ともよぶ.記号で書いた場合に,p, q, r などのように
それ以上分解しようのない基本的な命題のこと.命題記号と呼ばれることもあ
る.
- 論理式 (formula)
- 合成命題 (compound formula/proposition)ともいう.原始命題と論理演
算子から構成される式のこと.例えば ((A → B) → (C ∨ D)) のようなもの.
ちなみに((A → B) → ) は含意する先の式がないので正しい論理式ではない..
- 統語 (syntax)
- 構文規則,もしくは文法ともいう.論理式の形式的構成を定めた規則のこ
と.自然言語で言うところの文法に対応する.
- 意味 (semantics)
- 命題論理においては論理式の真理値のこと.命題論理においてはT(真)も
しくはF(偽)のいずれかである.
意味領域 (domain)
- 論理式の意味の集合のこと.命題論理の意味領域は 1(真)および 0(偽)の二
つの要素から構成される.ちなみに,命題論理においては二つの特殊な記号 T
および F が予約されており,これらの記号の意味領域への写像はそれぞれ 1
(真) および 0(偽) である.
- 解釈 (interpretation)
- 論理式の意味を定めること.命題論理においては
論理式の真偽を,そこに現れる基本論理式の真偽から決定すること.
また,命題論理式 F が与えられたとき A1, A2, ...,
An をFの中に出現する基本命題とする.A1, A2, ...,
An への真理値 {T, F}のそれぞれの割り当て方 I
を F の解釈と呼ぶこともあり,[F]I と表記する.
- 三段論法 (syllogism)
- (A) および (A → B) から,B を論理的帰結として導く手法のこと.
- 恒真式 (valid formula)
- 許されるすべての解釈において常に真となる論理式のこと.妥当式ともい
う.たとえば (A ∨ ¬A)は恒真式である.
- 恒偽式 (inconsistent formula/propositon)
- 矛盾式や充足不能式(unsatisfiable formula)ともよぶ.許されるすべて
の解釈において常に偽となる論理式のこと.たとえば (A ∧ ¬A) は恒偽式である.
- 充足可能式 (consistent formula)
- 恒偽式でないすべての論理式のこと.その中には恒真式でない論理式も含まれ
るわけで,それはつまり,ある解釈のもとで真となる論理式のことである.た
とえば,(A ∨ B) などは恒真式ではないので,その例である.
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- 論理的帰結 (logical consequence)
- 論理式 G1, ・・・, Gn と論理式 H が与えられたと
する.G1 ∧ ・・・ ∧ Gn を真にするすべての解釈
I に対して H もまた真になれば,H をG1, ・・・,
Gn の論理的帰結 とよび,
G1, ・・・, Gn |= H
と表記する.G1, ・・・, Gn を H の前提(premise) とよぶ.
- 連言標準形 (conjunctive normal form)
- F1, F2, ・・・, Fn のそれぞれをリテラ
ルの選言からなる論理式であるとする.このとき,
F = F1 ∧ F2 ∧ ・・・∧ Fn (n ≧ 1)
という形式の論理式を連言標準形
(conjunctive normal form)とよぶ.Fiは節 (clause)とも呼ばれる.
- 選言標準形 (disjunctive normal form)
- F1, F2, ・・・, Fn のそれぞれをリテラ
ルの連言からなる論理式であるとする.このとき,
F = F1 ∧ F2 ∨ ・・・∨ Fn (n ≧ 1)
という形式の論理式を選言標準形 (disjunctive
normal form)とよぶ.
- 融合原理もしくは導出原理 (resolution principle)
- 任意の二つの節 C1 と C2 に対して,C1
がリテラル L を含み,C2 がリテラル ¬L を含むとき,
C1 から L を除いたものと C2 から ¬L を除いたも
のを合わせて 融合節 (resolvent) を作るこ
と.
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