Naoyuki Sato, Future University Hakodate

トップ

研究

業績

卒業研究

リンク
-2008 2009-
全脳神経回路データに基づく脳波シミュレーション
ヒトの全脳神経回路データを用いて脳全体の脳波のシミュレーションよって、脳波進行波が(1)大域脳機能回路のまとまりを作ること、(2)大域及び局所スケールの脳の活動度に応じて脳部位間を順序づけできることを明らかにした。この進行波の性質は脳の情報統合に役立つもので、新しい信号解析や理論の構築の基盤となる。
[大学プレスリリース]

言語分散表現に基づく脳波コヒーレンス解析
本研究では,脳波コヒーレンスのデータ(数十チャンネル)を,課題遂行に仮定される情報ネットワーク(数百〜数千ノード,疎グラフ)と対応づけることで,脳波関連の機能情報ネットワークを推定する手法を提案する.脳波の同期現象は脳部位間の情報統合過程に関わると考えられ,同提案手法により,それに含まれる情報処理過程を直接的に推定する.さらに,提案した手法を,言語課題に関する実脳波データに適用し,言語データベースを基に推定された情報回路と認知機能との関連を調べ,提案手法の有効性を検証する.これより,情報ネットワークの新しい解析手法を確立するとともに,大脳皮質の部位間における言語情報の統合過程を明らかにする.
[大学プレスリリース]

実環境における脳波計測・応用に関する研究
Context-dependent memory encoding during natural reading of literature was evaluated using electroencephalography (EEG) and functional magnetic resonance imaging (fMRI) based on a subsequent memory paradigm. Subsequent memory was quantified by semantic correlation between the read text and reports subsequently written by the participants, based on a recent natural language processing procedure. Our results demonstrated a positive correlation between subsequent memory and fixation-related EEG and a negative correlation with fMRI activity. Sentence-length and paragraph-length processes were associated with regions belonging to the salience network and the default mode network, respectively. This is the first demonstration that memory encoding during literature reading is associated with large-scale network deactivations, which might reflect the coordination of a range of voluntary processes during reading.

長文読解経験に関するモデル研究
エピソード記憶のメカニズムの理解にとって"既存知識の脳内表現"が鍵である.本研究は,既存知識の脳内表現モデルとして言語データベースに基づく意味分散表現を導入し,長文読解時の記憶形成に関する連想記憶回路モデルの構築を行う.実験計測より得た被験者の読みの単語時系列を用いて,記銘―想起のダイナミクスをモデル化し,連想記憶回路に生じる記憶の情報構造を調べる.ヒト記憶との比較によりモデルの妥当性を評価する.

ニューロン発火と脳波の相関に関する計算機シミュレーション
脳波の長距離同期現象は、脳領野間の情報伝達メカニズムの理解にとって重要な現象である。本研究では、コラム構造をもつニューロンの発火活動と局所細胞外電位(LFP)との関連を計算機シミュレーションにより検討した。結果として、LFP同期はコラム群活動パターンの投射構造で規定される空間整合性と強い相関があることが明らかになった。この結果は、認知情報処理と脳波同期現象の対応を明らかにする上で意義がある。

光点滅刺激を用いた記憶の脳同期回路に関する研究
頭皮脳波の計測により、うまく記憶ができるときには4-8Hz (シータ帯)の脳波が強くなること がわかっている。しかし、脳波は 10の7乗ヶものニューロンの集団電位であり、どのニューロン集団脳 波の源であるかは特定できず、また、記憶に関連した脳波の数十倍以上の背景脳波が重畳されるため、脳波シータが記憶貯蔵の原因なのか副次的産物なのかがわからない。そこで、本研究では、脳波を視覚性点滅刺激(フリッカ刺激)により特定の周波数の脳波を誘導し、脳波の引き込み特性と記憶成績の関係から、記憶に関する周波数特異的なグローバルな脳の同期回路の同定を行う。

他視点での物体配置のイメージ生成に関する理論研究
海馬は観測点の移動をしたときの物体配置の想起に特に関わる。これまで、学習済みの空間におけるイメージ想起に関する計算理論が提案されているが、未踏の観測点での空間イメージの算出には新しい計算理論が必要である。本研究では、観測点移動に対応しうる空間記憶表現として「物体中心シーン」を提案し、海馬の連合記憶により、未踏の観測点からの空間イメージを算出する。

エピソード記憶に関する理論ー実験複合解析
Coding of visual experiences in the episodic memory is essential for understanding the episodic memory and for designing devices to support our memories. In this study, several coding were evaluated by those predictionabilities of human recalls of visual scene memory. In results, semantic coding was found to have better predictionability. The semantic coding is considered to be dominantly used to store the episodic memory based on visual experiences.