行動分析学

このページでは行動分析学についての説明をすると共に、実際に行う際の注意点などを紹介します。
「行動分析学」について詳しく説明する前にまず、「行動」についての説明をしたいと思います。

 行動とは・・・?


[1]杉山らによると、行動とは「死人にはできないすべての活動」のことです。
また、人間の行動には好子の原理または嫌子の原理が働いています。

好子の原理は「行動の直後に出現するとその行動の将来の生起頻度を上げる刺激、出来事」のことを言います。

嫌子の原理は「行動の直後に出現するとその行動の将来の生起頻度を下げる刺激、出来事」


<好子の原理の例>
・レストランで注文した料理が美味しかったから、次回いったときにまた注文する、
・横断歩道の押しボタンを押すとすぐに青に変わるから押しボタンを押すようになる、
・野球のコーチが選手の投げ方を誉めたら、選手は褒められたとおりに投げる。

<嫌子の原理の例>
・道路でふざけて遊んでいたら、転んで怪我をしたので遊ばないようにする
・練習に遅刻したら先輩に叱られたので、遅刻しないようにする

この例を見ると、日常生活の行動のほとんどはこの2つの原理に基づいていることが分かります。

 行動分析学とは・・・?


[1]杉山らによると、「行動分析学」は人間を含めた動物全般を対象として、行動の原理が実際にどう働くかを研究する学問です。
その行動分析学を用いて、癖などを直すには、先ほど説明した好子の原理嫌子の原理が使われます。

例とともに行動分析学について詳しく説明していきます

「自分の子供がすぐ泣くから泣かせないようにしたい」という内容で行動分析をしていきます。
まず、この行動をABC分析します。
ABC分析はその行動がどのような状況で起こるのか、起きた結果どのようなことになるのかなどを考えて、次のような表に分けます。

A 先行条件 B 行動 C 結果
外出先で 子供が泣く 子供をあやかす

Aの先行条件は行動が起こる直前の活動や状況、Bは行った行動、Cはその行動による結果(その行動を起こした人の言動や、周りの環境の変化)を考えてあてはめます。

このように表に当てはめてからこの行動について考えていきます。
「子供が泣く」理由の1つとして、考えられるのは先行条件の「外出先」がなんらかの理由で嫌子になっているために泣いてしまう
2つ目の理由として結果の「子供をあやかす」が親にかまってもらえるという理由で好子になっているため、 特に泣きたい理由がなくてもかまってもらいたいために泣くということが考えられます。

この分析より、嫌子になっている可能性のあるなんらかの理由を見つけ出し、取り除くことで嫌子を少なくするか、
泣いていてもかまわないことで、好子を少なくすることで子供が泣くことを減らすようにします。

  • 行動分析学まとめ①~ABC分析~
  •  1、直したい行動や癖について「先行条件」、「行動」、「結果」に分ける。
  •  2、その行動が起きる理由を好子、嫌子の点から考える。
  •  3、その好子、嫌子を増やしたり減らしたりすることで行動を直せるよう考える。

次のページではABC分析について詳しく説明します。        

 



 参考文献