OPEN SPACE,
OPEN MIND

理事長・学長メッセージ

鈴木恵二学長のイメージ
公立はこだて未来大学 理事長・学長 鈴木 恵二

公立はこだて未来大学は、 2000 の開学以来、システム情報科学という分野において、「境界」をあえて固定しない学びと研究を追求してきました。 本学のOpen Space, Open Mindの理念もまた、ガラス張りで仕切りのない開放的なキャンパスという建築的な特徴にとどまらず、専門や立場の境界に閉じることなく、学び、協働するという、本学の教育と研究の姿勢そのものとなっています。

現実の社会課題は、さまざまな要因が複雑に絡み合って生じています。それらに向き合うためには、固定概念にとらわれず新たな境界を見出し、時に創り出していくことが求められます。そのためには多様な知が交わる教育・研究が不可欠です。 本学が開学以来、プログラミング、AI、デザインに加えて、複雑系科学という境界が曖昧な研究分野に学部レベルから挑戦してきたのも、こうした考えに基づくものです。
多様な知のアプローチによって領域を横断していく姿勢こそが、本学の独自性を形作っています。

これを可能としているのは、本学のいちばんの財産である、非常に質の高い多様な分野の教員です。 それぞれの教員が自らの専門領域にとどまらず、他の教員や外部の視点、異分野の知見を取り入れながら、新たな挑戦に取り組んでいます。また、教育・研究に対して高い意欲を持ち、「何を実現すべきか」を主体的に考え行動する姿勢が、本学の価値を一層高めています。

こうした環境の中で、学生もまた、教室内の学びにとどまらず、自ら問いを立て、キャンパス内外に学びの場を広げたり深めたりしながら成長しています。スタートアップへの挑戦やハッカソンの企画・参加など、カリキュラムの枠を越えた主体的な活動も活発に行われています。学生が自らの関心や問題意識に基づいて挑戦し、それぞれの方法で未来を切り拓いていくこと、その多様で自律的な姿勢こそが、「未来大生マインド」の大きな強みであるといえるでしょう。

料理人が良い包丁を求めるのは、道具を揃えること自体が目的ではなく、より良い料理を生み出すためです。同様に、コンピュータや生成AIといった高度な技術そのものが未来をつくるのではありません。重要なのは、それらを用いて「何を問い、何を生み出すか」です。本学が大切にしてきたのは、あらかじめ正解のある課題に答える力だけではありません。むしろ、解のない問題に対して、多様な人と協働しながら向き合い、その時代、その場所にふさわしい答えを構想していく力です。そうした力を通して、まだ誰も見たことのない新しい価値を社会の中に生み出していくことを目指します。

公立はこだて未来大学は、これからも未完であり続けます。
これまでうまくいった方法に安住するのではなく、常に「もっとよい方法があるのではないか」と問い続けること。それが、本学にとっての「未完」であり、前進の原動力です。学生、教員、地域とともに、その挑戦をこれからも続けていきます。 この挑戦は決して容易ではありませんが、本学の専門性と環境があれば実現できると確信しています。

公立はこだて未来大学 理事長・学長 鈴木 恵二