ユーモア溢れる研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の第20回授賞式が9月30日、米マサチューセッツ州ハーバード大学で開かれ、本学、複雑系知能学科の中垣俊之教授らグループ(9名)が「交通輸送計画賞」を共同受賞しました。
2010年1月にサイエンスに発表した論文において、粘菌の鉄道網設計能力を解き明かしたことが、今回の受賞理由です。
中垣教授は、粘菌の知能が形づくるネットワークの創発的な特性を研究。2000年9月、「アメーバ状生物の粘菌が迷路の最短ルートを解く」という論文をネイチャー誌に発表し、話題を呼びました。2008年にはイグ・ノーベル賞の認知科学賞を受賞、今回は2度目の受賞となります。
受賞名
第20回 イグノーベル 交通輸送計画賞 IgNobel Transpotation planning prize
受賞者
中垣俊之(公立はこだて未来大)
マーク・フリッカー(オックスフォード大)
ダン・ベバー(オックスフォード大)
手老篤史(JSTさきがけ)
高木清二(北海道大学)
伊藤賢太郎(広島大学)
小林亮(広島大学)
弓木健嗣(広島大学)
三枝徹(九州大学)
受賞関連論文
A. Tero, S. Takagi, T. Saigusa, K. Ito, D. P. Bebber, M. D. Fricker, K. Yumiki, R. Kobayashi and T. Nakagaki : “Rules for biologically-inspired adaptive network design”, Science, 327 : 439-442 (2010)
参考文献
中垣俊之 『粘菌 その驚くべき知性』(PHPサイエンス・ワールド新書、2010)