
理事長・学長
片桐 恭弘(かたぎり やすひろ)
「新たな知の創造拠点」として
本学からは、まちを挟んで函館山が遠望でき、その彼方にゆるぎのない水平線を望むことができます。縄文時代に遡る人々の長い営み、幕末から明治への交易・戦争・開港という変動、そして北海道開拓のゲートウェイという函館の歩みはこの地ならではの歴史文化を形成し、さらに時代を重ねるなかで人々は固有の地域資源を育んできました。この美しく豊かな地に立地する本学もまた、未知のフィールドを拓く先駆者でありたいと思います。本学は、函館圏・道南圏に根ざす「新たな知の創造拠点」として、人々がより良く生きるための持続的な社会の仕組みづくりを追求してまいります。
「社会をデザインする」は、使命達成の道しるべ
公立大学である本学が地域の人々に提供すべき価値とは、社会から誇りとされ、頼られ、愛される大学であることです。そのために必要とされる具体的貢献が、社会に寄与する人材の育成、地域の課題解決、産業振興、文化振興です。世界的に情報教育の重要性が認識されるいま、本学は人間生活のあらゆる分野に関与する情報科学を根幹とし、よりよい社会の仕組みづくり=「社会をデザインする」という理念のもと、独自の教育と研究を展開しています。
新たな知の創造のための知的環境
教員陣は、専門領域のみならず周辺分野や地域社会とのコラボレーションを積極的に志向しています。企業出身の教員も多く、高いファカルティ・レベルを備え、多様な専門領域に秀でているのも本学の特徴です。さらには教員同士・教員と学生のオープンマインドな距離感、開放的で透明性の高い建物、これらが社会に開かれたオープンな学風と自律的な問題解決力・自発的な学び・コミュニケーションを通じた協調性を育む知的環境を構成しています。
実践フィールドは未知への誘導路
システム情報科学はICT、デザイン、複雑系、人工知能を融合して、世界をシステムとして認識しながら、現代社会の現実の問題に取り組むための学問です。本学における研究・教育の実践フィールドは、函館圏という実際のまちを対象としています。開学以来の地域に根ざした数々の実践は、医療・観光・交通・海洋などの分野で確かな実績として社会を動かし始めています。
根ざすは地域、目指すは世界
「Think Globally, Act Locally(地球規模で考え、足元から行動しよう)」という標語があります。ネットワークの発達した現代社会は世界と直結しています。しかし、社会の抱える課題に真摯に取り組むためには、まず地域の「固有性」に根ざした活動を突き詰めることが近道になります。公立はこだて未来大学は、地域貢献と世界に向けた情報発信を両輪とし、知の創造拠点として社会に寄与する未来を拓いてまいります。