研究内容
(1) ワークショップ実践研究
ワークショップとは、普段とは異なる視点から発想する学びと創造の手法で、コミュニケーションやアイデア発想、地域課題解決のために活用されています。ワークショップは知識伝達型の授業とは異なり、参加者の主体性や創造性、意図せざる学習をも重視します。子ども・学生・社会人を対象にワークショップをデザインし、それを実践し、実践から得られたデータをもとに評価します。
(2) アートやミュージアム、地域アートプロジェクトに関する研究
アートとは人間特有の営みであり、アート作品は人にさまざまなことを感じさせ、考えさせてくれます。そしてミュージアム(美術館・博物館)や地域アートプロジェクトは、人とアートをつなぐ、ゆるやかな学習環境のひとつです。アートやミュージアム、地域アートプロジェクトにおいて展示やワークショップのデザインを行う実践研究や、そこで起きている学習について明らかにする調査研究を行います。
(3) 学習環境デザインに関する研究
教育・学習の理論をもとに、学習環境デザインに関する研究を行います。とくに学校外のインフォーマルな学習環境において、ICTを活用した新たなシステムや教材を開発して評価したり、質的・量的な調査を行ったりすることを通じて、イノベーティブな学習環境のデザイン原則について明らかにすることを試みます。
研究の魅力
企業で働いてから大学院博士課程に入りなおし、社会人大学院生として働きながら学位を取得しました。学びたいときにいつでも門戸を開いてくれるのが大学であると思います。
実績
対話型鑑賞を活用した教育研修に携わり、あいちトリエンナーレ2019や大地の芸術祭ではボランティア育成やスタッフ研修を、六本木アートナイトでは街歩きとアート鑑賞を組み合わせたガイドツアーの講師を担当してきました。アートの鑑賞経験を広げるワークショップの開発にも取り組み、視覚障害者の方とともにみるワークショップやロボットを活用した鑑賞ワークショップを実践してきました。
近年はアートと地域活性化に関するプロジェクトに参加し、地域の魅力発掘に努めています。福島☆復興グランプリでは、福島県浜通り地域でのフィールドワークをもとに行った提案がグランプリを受賞しました。しずおかマイクロアートワーケーションでは、沼津市内でリサーチを行うとともに地域住民とアーティストをつなぐ場を企画しました。
※研究実績についてはresearchmapをご覧ください。
国立研究開発法人科学技術振興機構「researchmap」
主な著作・論文
- 『ここからどう進む? 対話型鑑賞のこれまでとこれから』(福のり子・北野諒との共編著、淡交社、2023年)
- 『鑑賞のファシリテーション:深い対話を引き出すアート・コミュニケーションに向けて』(あいり出版、2023年)
- 分担執筆『教師が学びあう学校のつくり方―「若手教師の育て方」実践事例集―』(脇本健弘・町支大祐編著、第一法規、2021年)
- 分担執筆『図画工作・美術科 理論と実践』(池永真義編著、あいり出版、2016年)
- 分担翻訳『学力をのばす美術鑑賞:ヴィジュアル・シンキング・ストラテジーズ』(フィリップ・ヤノウィン著、京都芸術大学アート・コミュニケーション研究センター訳、淡交社、2015年)