教員紹介 En

竹川 佳成

教授
TAKEGAWA, Yoshinari

学生へのメッセージ

あるダンサーがこう言っていました。「最強よりも最高になりたい」と。このダンサーは世界一になったのですが、最高になるのを目指していたら結果として最強(世界一)がついてきたと。私は、このように思えるような何かを学生さんが見つけることをお手伝いできたらなと思っています。誰かと比較するのではなく、自分と比較する。楽しいから、興味があるから、夢中になれる。気が付いたら、評価されている。研究活動を通して、みなさんが自分のことを誇りに思えたり、自信をもてたり、好きになれたりすると嬉しいなと思って、日々、学生さんと向き合っています。

研究の魅力

UI/UX、AI、デザイン、インタラクション、そして知覚・認知心理学の専門性を活かし、これまでに多くのプロダクトや体験、研究を生み出してきました。UIやAIの進歩は日々世界を魅了しています。常にその最前線を追い、柔軟に融合させることで、新たな技術を切り開き、かつてない体験を提供し、人間の持つ可能性を探求しています。この分野は、毎日が驚きとワクワクにあふれています。

研究内容

ミライノガッコウ ~ 「できた!」の支援

「ミライノガッコウ」は、人々が「できた!」という達成感を感じられるよう、学習を支援する研究に取り組んでいます。数学などの学習だけでなく、楽器演奏、歌、ダンス、イラスト、書道、料理、手芸といった技芸、さらにはスポーツ、プログラミング、英会話、ゲームなど、体・頭・心が連動する幅広い分野も対象です。誰もが得意・不得意があり、思うようにいかず悔しい思いをしたことがあるのではないでしょうか。

「ミライノガッコウ」は、次のような疑問に答える方法を探求しています。「コツって何だろう?」「どうすれば短期間で上達できる?」「楽しみながら習得するにはどうしたらいい?」「オンラインレッスンを効果的にするには?」といった、目標達成をサポートする研究から、できるようになるまでのプロセスを支援する研究まで、さまざまな視点で取り組んでいます。

この研究は、自己成長を望むすべての人に向け、1つでも多くの「できた!」という喜びを届けるために行われています!

ミライノガッコウWebページ

ミライノライフスタイル ~ 唯一無二のあなたの欲しい(ウォンツ)を叶える

私たちの周りには、無数のモノやサービスが溢れています。しかし、「みんなの困りごとを解決するモノ」や「誰もが使いやすいユニバーサルな製品」は、既に世界中の誰かが作り上げてしまっています。これからの時代のモノづくりでは、「もっと楽しい体験」や「かわいいモノ」といった個々のウォンツ(wants)から始まり、その人にぴったりとフィットするパーソナライズされたモノやサービスが求められるようになるでしょう。

「ミライノライフスタイル」は、これまでにもウォンツを反映させた革新的な研究を進めてきました。例えば、「服を選ぶように顔を変えられるデジタルカメン」や、「オンラインライブでもリアルライブと同じ臨場感を楽しめるワンパーカー」、「ストレスなくダイエットしたい」など、個人の欲望を形にしたプロジェクトに取り組んできました。

あなたの欲しい(ウォンツ)を原点に、ミライノライフスタイルはみなさんの日常生活を彩ります!

ミライノサファリ ~ 動物との共創

ミライノサファリは富士サファリパーク(国内最大のサファリパーク)の協力で進めています。

サファリパークとITという対照的な分野を融合させたミライノサファリ。動物や自然に、極めて人工的なITが組み合わさるとどんな新しい体験や感動を提供できるのでしょうか?動物たちが過ごす環境を豊かにするためにどんなことができるでしょうか?対象となるのは、サファリパークにくるお客さん、動物のお世話をする飼育員や獣医師といった「人」だけではなく、サファリパーク内にいる「動物」たちもです。

「ポケレポサファリ」は、サファリの飼育員さんと一緒に作ったサファリ専用オンラインライブレポートシステムです。サファリパークにいる生き生きとした動物たちを自宅にいながら視聴できます。これに「命のぬいぐるみ」を組み合わせることで、動物の息づかいをありありと感じ取れます。まさに技術で魅力を生み出している試みです。「ELEG」はゾウとのコミュニケーションにチャレンジしています。

これはほんの一例で、サファリパークにはITを活用することで面白くなりそうなアイデアがたくさん転がっています。サファリパークというフィールドにいるすべての人、動植物、モノやコトに対して、魔法のようにITと組み合わせる。それがミライノサファリです。

ミライノギモン ~ あなたのその素朴な疑問を深ぼってみませんか?!

ミライノギモンでは,認知心理学を使って人のことをくまなく掘り下げ、UXリサーチ手法を使って人とモノとのよりよい付き合い方について深めていきます。

スマホやアプリ、SNSなどは、人々の考え方や行動に大きな影響を与えています。それに伴い、歩きスマホ、炎上、フェイクニュース、情報弱者といった社会的な問題も増加しています。たとえば、「コミュニケーション障害を克服する方法は?」「なぜ人は緊張するのか?」「人の行動や考えを変えるために必要な要素は?」「オンラインでの効果的な共同作業の方法は?」といった疑問に対して、ミライノギモンでは人の知覚(何を捉えているのか)、認知(どう理解・解釈しているのか)、心理(どう感じているのか)の本質に迫ります。

また、必要なときに必要なモノを利用するサブスク(サブスクリプション)化が普及するなどモノ(アプリやサービスを含む)の流通が変わりました。サブスクビジネスにおいては、モノを売って終わりではなく、モノを利用し続けてもらう必要があります。また、モノがあふれる現代社会において、モノ単体で差別化することは難しくなってきました。「これまでにないユーザ層はどうやって発見できるのか?」「そのユーザ層が真に求めているニーズや体験はいったい何なのか?」といった疑問に対して、ミライノギモンではUX(User eXperience)リサーチ手法を使って明らかにします。

あなたのその素朴な疑問(専門用語としてはリサーチクエスチョンといいます)をとことん調べてみませんか。

ミライノスポーツテック ~ プロアスリートととの共演

「ミライノスポーツテック」は、スポーツ庁が管轄するハイパフォーマンススポーツセンターとの共同研究を進めています。このセンターは、オリンピック選手たちが競技力を向上させるために利用する、特別なトレーニング拠点です。

私たちは、ハイパフォーマンススポーツセンターの研究者やオリンピック選手たちと力を合わせ、冬季・夏季オリンピックでメダルを目指す選手たちを全力でサポートします。ミリ単位で選手の動きを正確にキャプチャーするシステム、膨大なデータを選手やコーチが一目で理解できる情報デザイン、試合中でも直感的に使えるユーザインタフェース、さらには栄養管理やハラスメント防止まで、私たちの挑戦は多岐にわたります。

これまで竹川研究室では、カーリング選手を対象にアスリートサポートを行ってきました。今後はカーリングに限らず、さまざまなスポーツ競技に貢献することを目指しています。スポーツの未来をテクノロジーで支え、一緒に新しい可能性を開拓していきましょう!

ミライノエンタテインメント ~ テクノロジーやメディアによるエンタメのアップデート

「ミライノエンタテインメント」は、Mplusplus株式会社と共同で、次世代のエンターテインメントの未来を創造する研究を進めています。Mplusplus株式会社は、LEDやプロジェクションマッピングを駆使し、舞台、ライブパフォーマンス、空間デザインにおける新しい表現を開拓している最先端企業です。これまでにMplusplus株式会社の研究者らと一緒に、ライブ支援、オンラインダンスレッスン、ピアノレッスン、などさまざまなプロダクトや研究に取り組んできました。

LEDアレイを使用した電飾服、プロジェクションマッピング、VR、ドローンといった最新技術がエンターテインメントの形を次々とアップデートしています。演者と観客が新しい形でコミュニケーションを取ることができるようになり、イベントやワークショップの成功には、プロモーションビデオ、ウェブサイト、フライヤーなどのメディアを活用した魅力的な宣伝活動が欠かせません。もちろん、グラフィックデザインやサウンドデザインといったコンテンツのクオリティも、観客を引き込むための重要な要素です。

エンターテインメント業界に興味がある方、未来を切り開きたい方は、今こそ具体的な一歩を踏み出すチャンスです。あなたの情熱が、この業界をさらに進化させる原動力となるでしょう。