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2022-04-20

[Changemakers 未来を創る卒業生]真依さん

[Changemakers 未来を創る卒業生]では、未来大の学びを活かして社会で活躍する卒業生を紹介します。今回は、函館市総務部にお勤めの山﨑真依(やまざきまい)さんです。

山﨑さんは、2018年3月に本学複雑系知能学科を卒業。大学3年次にインターンを経験した情報システム課に配属が決まり、2022年2月の取材当時は庁舎内の情報システムの管理・運用を事務方としてサポートしていました。

「高校までは数学は大の苦手」だった山﨑さんが未来大で数学の面白さに気づいたときの驚きや、社会に出てから実感できた「未来大で学んでおいてよかったこと」を語っていただきました。

※所属・役職名は掲載日現在のものです。

-「未来大を目指そう!」と思った動機から教えてください。

 中学時代は美術部で絵を描くのが好きで、高校では演劇部で舞台美術を作っていました。「大学は道内でデザインが学べるところに進みたい」と先生に相談したところ、薦められたのが未来大でした。

でも実を言うと、私は数学が大の苦手で、高校時代は赤点を取ったこともあるくらい。2年次になったら情報デザインコースに進もうと思っていましたが、数学の講習を受けたことで「この数式はそういう意味だったんだ!」と理解できる瞬間が増え、そこから大学で学ぶ数学がどんどん楽しくなりました。そうなると成績も目に見えて伸びていき、ますます数学にハマっていく…という好循環が続きます。

当初はデザインを学ぶつもりで入ったはずが、1年次が終わる頃にはロボットや人工知能にも興味がわいてきて、複雑系知能学科の知能システムコースに進みました。

-卒業研究のテーマは何だったんですか?

 様々な授業やプロジェクト学習を経験し、4年次には心理学に最も興味があったので、卒業研究はマインドワンダリング(目の前の課題から注意がそれて意識がさまよう状態)をテーマに、文章を推敲するときに時間の間隔を空けた方がいいのか、寝かせる時間と効果の関係性について目線の動きを解析するソフトを使って検証しました。

振り返ると、入学前にはデザインを学びたいと思っていたのに、コース選択時にはロボットや人工知能への関心が膨らみ、最終的に心理学の研究にたどり着いたのには、自分でも驚いています。未来大はそれくらい様々な分野に触れる機会がとても多く、当時の私のように「自分がこれから何を研究したいのか」イメージが全く思い描けなくても、自分にとって一番楽しいと思える研究に出会える場だったなと、今改めて実感しています。

-数学や人工知能、心理学の面白さに目覚め、グループワークも経験できた。高校までの自分には想像もできないような、新しい自分に出会えた大学生活だったんですね。

 AO受験の時、筆記試験の数学があまりにもできなくて、しょんぼりしながら帰ったあの日がウソのようです(笑)。

家で課題をするときも、自分だけが使う簡単なプログラムなら自作できるようになり、プログラミングに対するハードルがグッと下がりました。未来大に入ってから、家族にもパソコンやネットワークのことをすごく聞かれるようになりました。

気がつけば、函館のまちもすごく好きになっていて、就職活動では実家があるまちの地方公務員試験を受ける選択肢もありましたが、函館市役所の試験日と重なり、思いきって函館で暮らし続ける道を選びました。

山﨑真依さん
職場にて

-現在、担当されているお仕事について教えてください。

 市役所には庁内で使っている独自の情報システムが多数あります。それらの運用や不具合、改善点が発生したときに、その現場と実際に手を動かすSEさんたちへの対応や調整を行っています。

私自身はプログラミングが非常に得意というわけではないのですが、未来大で基礎を学んだおかげでIT関連の専門用語に抵抗感がなく、自分なりに問題のポイントを掴むことができるところも、「未来大で良かった」と思うことの一つです。

今の部署には、私の他にも未来大出身の方が複数名在籍しています。「未来大生はシステムに強い」というイメージもあるようで、大学時代の学びをベースに皆が社会で自分の居場所を見つけているように感じます。

それから在学中に学んで良かったこと、もう一つは文章の書き方です。当時は「論文を書くため」と思っていましたが、働き始めてたくさんの報告書やマニュアルを読んだり書いたりしていると、私のような事務職はことさら“簡潔にわかりやすく文章を書く”スキルがいかに重要かを痛感しています。

そのうち仕事の引き継ぎ等のために、資料を作成することもあると思います。文章だけでは伝わりにくいところは、一目でわかるフローチャートにしてみるのもありだなと思っています。未来大で学び、プログラミングの基本的な組み立て方がわかっているので、読み手がバグらないようなものを作ることができそうです。

また、社会人4年目になった今、未来大のプロジェクト学習でグループワークを経験しておいて本当に良かったと実感しています。

自分とは違う発想を持つ人たちと同じ課題について取り組み、皆で担当を振り分けてやりとげる。社会に出たら日常的に行われるこの一連の流れを、在学中に経験できたことは大きかったと思います。

-最後にあらためて、未来大の魅力をお願いします。

 まず、先生たちがとても魅力的だというところ。どの先生も「研究が心底楽しい!」という姿勢を見せてくださるので、聞いているこちらも自然に興味が湧いてきます。授業のスライドの使い方や普段いらっしゃる研究室の雰囲気もお一人お一人が個性的です。在学中にきっと、皆さんにも“推し”の先生が見つかると思います。

それからなんといっても、「オープンスペース・オープンマインド」の精神を表現した吹き抜けのキャンパスは、他のどこにもない特別な空間ですよね。気軽に座れるスペースがいたるところにあり、学科が分かれたあとでもクラスメートだった友達とおしゃべりしたり、その友達がまた違う友達を紹介してくれて、人見知りの私でもどんどん交友関係が広がっていきました。

他の学科の友達から面白そうな授業の話を聞いては、自分一人では思いもつかなかった学びの世界を広げていきました。

こうした環境で情報科学について楽しく学べば、オンライン時代になった今、どんな職場に進んでも皆さんが活躍する場はきっとあるはずです。未来大出身のアドバンテージを随所で活かせると思います。