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2022-06-21

情報処理学会2021年度論文賞を受賞

2022年3月まで本学の博士後期課程に在籍していた奥野茜さんと角康之教授による下記論文が情報処理学会2021年度論文賞を受賞しました。

奥野茜, 角康之: 一人称ライフログ映像からの顔検出に基づいた社会活動計測, 情報処理学会論文誌, Vol.62, No.2, pp.607-616, 2021年2月

本論文は日々の社会活動量を測る「顔数計(かおすうけい)」を提案するものです。
胸に装着したカメラデバイスに映り込んだ他者の「顔」の数を数えることで日々の社会活動の量と質を測ることを目指したものです。歩数計のような素朴なアイディアから議論を開始しつつ、検出された顔ごとの近さや時間継続性を考慮した計量法を提案し、実際のデータに基づいた精緻な分析と議論の学術的価値が高く評価されました。

本論文賞は、情報処理学会が過去1年に発表された論文の中から特に優秀と認められたものを選定するもので、今年度は506編の論文を対象に学会委員会が審査・審議を行い4編が表彰されました。

発表者の一人である奥野さんは、本学の学部に入学して情報デザインを学び、その後も角康之教授のもと博士前期課程、博士後期課程と本学大学院で研鑽を積みました。また、本研究を始めた時期には、IT技術を駆使したイノベーション創出が期待される、独創的なアイデアを持った若手クリエータを発掘し育成する事業で、若手IT人材にとっての登竜門といわれている未踏IT人材発掘・育成事業にも採択されるなど、以前から学内外で活躍をみせていた方です。
2022年3月に博士後期課程を満期退学した現在は、企業で研究開発に携わりながら本研究を含む内容で博士論文の執筆を行っています。