博士(後期)課程2年のJiaqing Baiさん(指導教員:姜暁鴻教授)が、IEEE 札幌支部の”The 2023 IEEE Sapporo Section Best Paper Award”を受賞しました。
この賞は、特定の分野に限定せず、年間で最も顕著な論文成果を上げた研究者に対して、毎年1名にのみIEEEの札幌支部から授与されるものです。
Jiaqingさんは、将来の通信システムにおいて有望なセキュリティ技術である、物理層技術に基づく隠蔽通信(covert communications)について研究しています。
受賞論文は、2つの古典的な隠蔽伝送方式において、古いチャネル状態情報(channel state information:CSI)が隠蔽性能に与える影響について体系的に研究したもので、相関係数(Correlation Coefficient:CC)と隠蔽性能指標(detection error probability:DEPおよびcovert rate:CR)との間の本質的な関係を明らかにする理論モデルを開発し、古いCSIを用いて最大CR性能と最大最小DEP性能を探求するための2つの最適化問題を定式化したというものです。
この論文の結果は、古いCSIが隠蔽性能に大きな影響を与えることを示したもので、通信システムやセキュリティ分野の更なる研究の道を切り開いていくことが期待されています。
発表タイトルと著者:
Jiaqing Bai, Ji He, Yanping Chen, Yulong Shen, and Xiaohong Jiang, On Covert Communication Performance With Outdated CSI in Wireless Greedy Relay Systems, IEEE Transactions on Information Forensics and Security, vol.17,no.8, pp.2920 – 2935, Aug.2022
https://ieeexplore.ieee.org/document/9852254