仕事の紹介
コンピュータ(機械)に知能を持たせる、あるいはコンピュータを(反面)教師として人間の知を探究することを目指して人工知能の研究をしています。
最近は 「ゲーム情報学」という新領域を提唱し(情報処理学会にこの名前の研究会も作りました)、ゲームといういい題材を用いて情報処理の発展に貢献したいと考え ています。
具体的なゲームとしては、倉庫番、囲碁、ブリッジ、詰め将棋なども扱っていますが、いまは特に将棋とサッカーを中心に据えて います。
将棋はコンピュータが人間のチャンピオン(名人/竜王)に2010ー15年に勝つことを目標に、人間の強いプレイヤーのように次の一手を考えるコ ンピュータの開発を試みています。
そのためには本格的に人間が将棋を指す過程を分析することが必要と考え、被験者にアイカメラを着けて もらって次の一手を考えているときの視線を追うなどの実験を繰り返しています。
サッカーは、ロボットにサッカーをさせるロボカップの立ち上げ時のメンバー の1人として、自らサッカーを研究対象とするとともに日本・世界でのロボカップの発展のために活動をしています。
また、サッカーの応用として大規模災害救 助に人工知能とロボット工学の成果を適用することを目指したロボカップレスキューの研究活動にもかかわっています。
函館に来てから観光を対象にした研究を開始しました。広い意味での情報技術を用いて函館を含む北海道の観光をもっと魅力的なものにすることを目指しています。
函館にとって、北海道にとって観光は非常に重要な産業です。少しでも観光の発展に貢献できればうれしいです。
最近の著書
- 松原 仁他:逆算法による詰め将棋の自動創作、人工知能学会誌、vol.13, no.4 (1998)
- 松原 仁:鉄腕アトムは実現できるか、河出書房新社 (1999)
- 松原 仁他:ロボカップレスキュー -マルチエージェントシステム研究の大規模災害救助への応用を目指して-, コンピュータソフトウェア, vol.17, no.5 (2000)
- 松原 仁,竹内郁雄,沼田寛:ロボットの情報学,NTT出版 (2001)
- 松原 仁(編著):コンピュータ将棋の進歩4、共立出版 (2002)
- 松原 仁(監修):わくわくロボット教室、集英社 (2003)
- 松原 仁他:将棋の認知科学的研究(2)-次の一手問題の考察-, 情報処理学会論文誌, vol.45,no.5 (2004)