加藤譲准教授が Chaos 誌の “2022 Edward N. Lorenz Early Career Awards”を受賞しました。
本賞は、加藤譲准教授らの論文“A definition of the asymptotic phase for quantum nonlinear oscillators from the Koopman operator viewpoint”の成果に基づいて、2022年にChaos誌に掲載された若手研究者の論文の中から選出されました。
リズム現象や同期現象は、心臓の鼓動や蛍の集団発光など、身の回りの様々な場面で見られる現象です。近年のナノテクノロジーの発展に伴って、原子集団系や光機械系などの量子力学系における同期現象の理論的な解析が、近年活発に行われています。本論文では、このような量子同期現象を解析するために、漸近位相関数と呼ばれるリズム現象を特徴づける位相関数を、量子力学系に対して初めて導入しました。また、この量子漸近位相関数は、従来の古典力学系に対する漸近位相関数の数学的に自然な拡張となっています。本研究の成果は、今後の量子同期現象の解析や応用技術の開発に、大きく貢献することが期待されます。
本研究成果は、JSPS科研費(JP17H03279, JP18H03287, JPJSBP120202201, JP20J13778, JP22K14274, JP22K11919, JP22H00516), JST CREST(JP-MJCR1913) に支援されています。