情報ライブラリーは、10月22日(水)に「1980年代のMacに触れる」展を開催しました。展覧会のイベントには約40名の学生・教職員が参加したほか、イベント後の公開展示にも多くの方々が訪れ、Macintosh Plusと触れあいました。
ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
ライブラリーで展示しているMacintosh Plusは、退職された山本敏雄教授が「学生の学びに活かしてほしい」と願い寄贈してくださったものです。
情報ライブラリーではこの装置を再生し、教育資料として継承する取り組みを進めてきました。
山本敏雄教授(最終講義の様子:当時)
今回の展覧会は、再生したMacintosh Plusを学生が直接体験するパートと、かつてMacintoshを使っていた教員と当時の実機に初めて接する若手教員や学生が対話するパートの二部構成で実施しました。
岡本誠特命教授と川嶋稔夫特命教授のご協力により撮影されたMacintosh Plusの分解や起動、操作の様子を記録した映像を投影する中、まずは、Macintosh Plusの起動を試みました。
失敗すること数回、フロッピーの出し入れを繰り返したのち、無事に起動。その場にいた全員が起動音に耳を傾け、画面が立ち上がる様子を見守りました。
起動後、学生たちは初めて触れるマウスやキーボードに戸惑いながらもペイントツールを操作し、写真や動画を撮りながら語り合う姿が見られました。


対話のパートでは、1980年代に仕事でMacintoshを使用していた岡本誠特命教授と、初期のMacintoshを知らない島影圭佑准教授による対談を行いました。
Macintosh Plusが使われていた時代背景や社会の雰囲気、仕事上の変化、当時の他のパソコンの様子、そして仕事の相棒としてMacintoshを持ち歩いた日常など、さまざまなエピソードが語られました。
来場した先生方からもMacintoshにまつわる思い出が次々と披露され、会場は終始盛り上がりました。


イベント終了後は、修士2年生の田中春樹さんがインストラクターとなり、Macintosh Plusを多くの方々に体験してもらいました。来場者は最後まで途切れることはなく、入れ替わり立ち替わり操作を楽しみ、「授業として続けてほしい」とコメントを残した学生もいました。
学生たちからは、
「テレビでしか見たことがなかったものに触れられて感動した」
「思ったより今のPCと似ている」
「レトロだけれど未来を感じた」といった声のほか、
小さな画面や独特のUI、起動音、キーボードやマウスの触感に新鮮な驚きを覚えたコメントが多く寄せられました。また、「未来大らしい垣根のないイベントだった」との感想もあり、世代や立場を超えた対話が自然に生まれました。
企画から当日の運営まで、平野智紀准教授と島影圭佑准教授には、多方面でご協力をいただき、両研究室の学生たちをはじめ、多くの方々の支えにより展覧会を開催することができました。また、ご来場のみなさまからいただいたコメントはどれも興味深く、今後のプロジェクトの参考となるものばかりで、想像を超える意義深い展覧会となりました。改めて、みなさまのご支援とご協力に心より感謝申し上げます。
今回の展覧会は、情報技術の遺産を通じて“人とコンピュータの関係”を再考する試みであり、「歴史的価値あるコンピュータの動作映像アーカイビングプロジェクト」の一環です。プロジェクトは、技術や性能だけでなく、コンピュータが人や暮らし、社会にもたらした変化や影響の記録にも取り組んでいます。
情報ライブラリーでは今後も、資料を「生きた知」として継承するためのアーカイブのあり方を探りながら、体験を通じて学びを生み出す場づくりを進めていきます。
情報ライブラリー

