日本学術会議「未来への学術振興構想(2023年版)」における学術の中長期研究戦略について、本学の中小路久美代教授を中心として、東京大学の矢谷浩司准教授とともに取りまとめをおこなった提案「情報環境との相互作用で生ずる行為や感情の正負・強弱原理の解明に基づいた人の内在的強靭性を高める機構の実現」が採択され、公開されました。
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-t353-3-55.pdf
この「未来への学術振興構想」は、今後20~30年頃まで先を見通した学術振興の「グランドビジョン」を複数提示し、それぞれの「グランドビジョン」について、その実現の観点から必要となる「学術研究構想」を示すというものです。
21世紀以降、学術分野の融合や学際化、国際化が急速に深化する等、学術研究は一層複雑化し、従来の延長線上から将来の展望を描くことは困難となってきている中で、未来を見据えて学術研究を振興し、人類社会に貢献していくためには、多様な分野や視点に基づく科学者コミュニティからのボトムアップを重視し、周到な議論と準備を通じて、学術研究の中長期的「グランドビジョン」を明確化し、その実現に必要となる「学術研究構想」を具体化していくことが不可欠とされています。
よって、この構想に採択された内容は、これからの先端研究の指針を示すものといえます。また、今後本学の研究環境を活用した関連研究の推進も期待されます。
日本学術会議は、内閣総理大臣所管の下、独立して職務を行う機関で、人文・社会科学から生命科学・理学・工学にわたる全分野の科学者から構成されています。
今回採択された提案は「グランドビジョン⑧:超スマート社会における人の能力拡張とAIとの共生」に関するもので、前述の学術研究構想を示したものとなっています。